放射線部
骨塩定量検査
●骨塩定量検査とは?
骨塩とは、骨中に含まれるカルシウムやリンなどの無機塩類(ミネラル)の総称です。骨塩定量は骨密度測定のことで、骨の密度を測ることによって、主に骨粗鬆症の診断に用いられています。また、ホルモンのバランス異常や先天性の代謝性骨疾患による診断にも利用されています。
●骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨粗鬆症では骨密度が低下し、骨が折れ易くなります。特に閉経後の女性に多い病気ですが、その他胃の切除後、多飲酒、極端なダイエット、長期ホルモン療法などでも発症します。日本には約800万~1000万人の骨粗鬆症患者がいると推定されており、この骨粗鬆症によって年間12万人以上の人が大腿骨等を骨折しています。
●骨塩定量検査の原理は?
骨塩定量装置にはさまざま原理を用いた方法(DXA法、超音波法、フィルム法、放射性同位元素法)があります。当院ではこのうちDXA法と呼ばれるX線を用いた方法により測定しています。この方法は2種類の異なるエネルギーのX線が骨や筋肉・臓器などによりX線吸収量に差があることを利用して骨密度を測定します。
●骨塩定量検査の前処置等
食事制限はありません。しかし、造影検査(ヨード造影、MRI造影、バリウム造影)の後は検査値に影響します。ヨード造影、MRI造影では2日後、バリウム造影では1週間程度期間をあけてからでないと検査はできません。
●測定可能部位
測定可能な部位は腰椎、股関節、前腕骨、手骨、全身骨となっており、全身骨モードでの測定では骨密度に加えて体脂肪率の測定も可能です。
●結果報告
結果報告書は患者さんが理解しやすいように記載された『患者用』と、診断医が必要な情報を取り入れた『院内用』の2種類の報告書がカラー表示で見やすくなっています。また、報告書は電子カルテ上で閲覧できます。次表に結果報告書例を示します。