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呼吸器外科

「心と身体に優しい外科医療」を 目指して。

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肺癌・転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍・気胸・膿胸など、胸部の悪性疾患・救急疾患を幅広く診療しています。 完全胸腔鏡下手術・ロボット支援手術を標準とし、世界に先駆けて開発した「全ての区域に対する肺区域切除」など、 根治性と低侵襲性を両立する治療を提供します。

診療内容

肺癌 ― 早期から進行例まで、一人ひとりに最適な治療を

 肺癌は日本人のがん死因の第1位で、非小細胞肺癌が約80%を占めます。CT・頭部MRI・FDG-PET検査で病期を判定し、気管支鏡検査やCTガイド下生検で組織診断を確定します。

 早期肺癌には完全胸腔鏡下手術で身体の負担を最小限に抑えています。2021年の臨床試験結果を受け、2cm以下の小型肺癌では呼吸機能を温存できる肺区域切除を標準化。我々が世界で初めて開発し現在全国的に標準化されている「赤外光胸腔鏡とICGを用いた区域間同定法」を用い、全区域・亜区域に対応した完全胸腔鏡下肺区域切除を実践しています。手術支援ロボット「da Vinci」による肺区域切除数は国内第1位です。多発肺癌や低肺機能の患者さん、異時性肺がんの再手術にも対応しています。

 進行肺癌については、術前化学療法・免疫チェックポイント阻害薬による腫瘍縮小後の手術や、術後の補助化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬による再発予防を積極的に行っています。

縦隔腫瘍 ― 小さな傷で確実な切除を

 心臓・大血管・気管・食道が位置する左右肺間の空間に発生する腫瘍で、胸腺腫・胸腺癌、神経原性腫瘍、胚細胞腫瘍などがあります。CT・MRI・FDG-PET検査で評価し、胸腔鏡手術を標準的な手術方法としています。当院では右胸の側胸面に3カ所(直径5〜15mm)、みぞおちに1カ所(直径15mm)の計4カ所のポートで手術を行い、傷を小さくしつつ良好な視野のもと安全・確実な切除が可能です。大きな腫瘍や周囲臓器浸潤がある場合、また周囲大血管への浸潤例では胸骨正中切開で対応します。

悪性胸膜中皮腫 ― 根治を目指した集学的治療

悪性胸膜中皮腫に対しては集学的治療を行うことにより良い治療効果を目指します。まず抗癌剤治療を行った後に手術を行います。悪性胸膜中皮腫に対する手術は、胸膜切除/肺剥皮術(肺を温存し胸膜のみ切除する方法)と胸膜肺全摘術(肺と周囲の胸膜を一緒に切除する方法)があり、呼吸器外科領域において最も難易度の高い手術のひとつですが、当科では安全な手術を提供します。抗癌剤治療後、腫瘍の状態を評価し可能であれば胸膜切除/肺剥皮術を優先して行います。術後は病状に応じて抗癌剤治療、放射線治療を追加します。

気胸・膿胸 ― 病態に応じた迅速な診断と治療

 気胸は肺からの空気漏出で肺がしぼむ病気で、自然気胸、続発性気胸、外傷性気胸、月経随伴性気胸などがあります。しぼみの程度に応じて安静観察・脱気・胸腔ドレナージで対応し、再発率は約50%です。再発時や空気漏れが止まらない場合は胸腔鏡下で肺嚢胞切除などの手術を行い、若年患者では術後2〜3日での退院が可能です。
膿胸は胸腔への細菌感染により発熱や胸痛をきたす疾患で、抗生剤とドレナージを基本に治療します。改善しない場合は膿胸腔掻爬術を行い、3ヶ月以上経過した慢性膿胸では胸郭形成術や充填術などの大手術が必要となる場合があります。

当科で治療を受けられる患者さんへ

 当科を初診後に手術が予定された場合、おおよその手術日を外来でお伝えしますが、詳細については後日病棟医長よりあらためてお電話致します。病状によって入院期間は異なりますが、通常手術の前日に入院していただき、術後順調に経過すれば5~7日程度で退院が可能です。
 すでに当科に通院中の方で、抗癌剤などの治療が予定された場合は、通常外来主治医の診察時に入院予定が決定されますので、詳細は外来主治医へご相談ください。

データ

2016年~2025年の手術症例数の推移