漏斗胸の治療について説明する「胸のかたち」研究室

大人の漏斗胸・女性の漏斗胸の手術をたくさん行っています。

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痛いの?痛くないの?(2)

「痛み」の問題は、これから手術をお受けになるかどうか考えていらっしゃる方にとっては大きな関心事でしょう。というより最大の関心事かもしれません。
これについて、率直なところを書きます。

漏斗胸の手術は決して小さな手術ではありません。というより、はっきり言うと大手術に分類されます。胸部という、生命機能に直接の影響がある身体部位の形を大きく変えるわけですから、これは当然です。ゆえに、例えば理髪店で髪を刈るように、まったくなにも感じることなく治療が完結する、というわけではありません。

「手術は痛いのですか」とよく患者さんに訊かれますが、それに対して私は「麻酔がかかっているので切られたり刺されたりするような痛みは一切ありません。ですが、凹んでいる胸を前の方に持ち上げますので、圧迫感が何日か続きます。この期間は麻酔を用いることにより管理を行います。人にもよりますが、1週間程度で圧迫感はかなり楽になります。」とお話しています。
では圧迫感はどのような感じかというと、「飼っている猫が胸の上にのっている感じ」とか「辞典をのせている感じ」とお答えになる方が多くおいでになります。

ひるがえってネットの書き込みなどを見ると、「自分は漏斗胸で手術を受けたが、痛くて大変だった。あまり手術はお薦めしない」と書かれておられる方もおいでになります。
他の記載内容から判断すると、幸いにして香川大学病院で手術をお受けになった方でそうした書き込みをされている方は、おいでにならないようです。それでも、少しでも圧迫感の無いように工夫することが医師の務めだと私たちは考えています。

痛みや圧迫感を減らすためには麻酔科の管理が重要です。しかし実は、それと同じか、それ以上に、手術のやり方次第で、圧迫感・痛みはかなり減らすことができるのです。
何事もそうですが、ものごとを決める上では正確な情報が何より大切です。「痛いだろう。怖いだろう」と思い込んでしまう前に、まず、以下のページをお読みになってみてください。
玄人向けの内容になりますが、いかにすれば患者さんが術後、楽に過ごせるか、という問題に対する私たちの取組みがお解りになると思います。

1.凹みは骨か?軟骨か?漏斗胸で凹んでいる部分は、骨と軟骨で構成されています。
凹みの原因に応じて術式を変えることで、負担が少なく、美しい形がつくれます。
2.「下準備」をした上で挙上する一部の肋軟骨に操作を加えることにより、胸郭を軟らかくしておけば、手術後の圧迫感をかなり少なくすることができます。また、バーを抜去した後の後戻りも少なくなります。

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