井端智裕先生の研究論文がNutrients誌に採択されました。本論文は、肝細胞におけるABCA1の発現が女性ホルモンの代謝中間体である2-Methoxyestradiolによって誘導され、肝細胞内の脂肪含量を低下させることを報告しています。ABCA1は善玉コレステロール(HDL)へのコレステロール供与体である。2-Methoxyestradiolは、細胞内情報伝達系PI3K/Akt/FoxO1経路を活性化して、ABCA1の転写活性を刺激することを世界で初めて明らかにしました。脂肪肝抑制のメカニズムとして注目されます。
論文の採択、おめでとうございます。
論文タイトル:
Effects of 2-Methoxyestradiol, a Main Metabolite of Estradiol on Hepatic ABCA1 Expression in HepG2 Cells.
Ibata T, Lyu J, Imachi H, Fukunaga K, Sato S, Kobayashi T, Saheki T, Yoshimura T, Murao K.Nutrients. 2022 Jan 11;14(2):288. doi: 10.3390/nu14020288.


ファイルイメージ

2021年12月5日に、日本内科学会第125回四国地方会があり、小畑孝文先生が症例報告を行い研修医奨励賞を、指導した吉村崇史先生が指導医賞を受賞されました。診療に苦慮した症例であり、大変素晴らしい発表でした。診療及び発表に携わった医局の先生方ありがとうございます。



呂 靜雅(Lyu Jingya)先生の研究論文がNutrients誌に掲載されました。本論文は、膵β細胞の脂肪毒性に関わる遺伝子、ATP-binding cassette transporter A1 (ABCA1)発現が、糖尿病で増加する酸化LDL(Oxidized LDL)によって抑制されることを明らかにしています。酸化LDL は、細胞内情報伝達系MEK/ERK/LXR を介してABCA1のpromoter活性を抑止し、膵β細胞の脂肪毒性を惹起し、インスリン分泌を低下させている可能性を示しています。
論文の掲載、おめでとうございます。
論文タイトル:
Oxidized LDL Downregulates ABCA1 Expression via MEK/ERK/LXR Pathway in INS-1 Cells
Lyu J, Fukunaga K, Imachi H, Sato S, Kobayashi T, Saheki T, Ibata T, Yoshimura T, Iwama H, Murao K
Nutrients. 2021 Aug 29;13(9):3017.


ファイルイメージ

小林俊博先生の研究報告がJournal of Molecular Endocrinology誌に採択されました。本論文は、脂肪細胞におけるadiponectinの発現が善玉コレステロールであるHDLによって増強されることを明らかにしています。HDLはその受容体scavenger receptor class B type Iを介して、細胞内情報伝達系CaMKK/CaMKIV経路を活性化して、adiponectinの転写活性を刺激することを世界で初めて明らかにしました。HDLの動脈硬化抑制の機序として注目されます。
論文の採択、おめでとうございます。
論文タイトル:
HDL promotes adiponectin gene expression via the CAMKK/CAMKIV pathway.
Kobayashi T, Imachi H, Fukunaga K, Lyu J, Sato S, Saheki T, Ibata T, Matsumoto M, Salimah JB, Murao K.J Mol Endocrinol. 2021 Nov 1:JME-20-0211.R3. doi: 10.1530/JME-20-0211.