このたび、当教室の Jiang Wenyi 先生を第一著者、福長 健作 先生をCorresponding Author とする総説論文

“GLP-1 Receptor Agonists as Molecular Relievers of Lipotoxic Stress: From Pancreatic Beta-Cell Cholesterol Efflux to Multiorgan Metabolic Protection”

が、International Journal of Molecular Sciences (IJMS) の Invitation Review として採択されました。

本総説では、GLP-1受容体作動薬の作用について、血糖降下作用や体重減少効果にとどまらず、脂肪毒性(lipotoxicity)の軽減という視点から整理しています。特に、膵β細胞におけるコレステロール排出機構と細胞保護作用を起点として、肝臓、脂肪組織、心血管系などを含む多臓器にわたる代謝保護作用について、その分子機序と臨床的意義を概説する内容です。

近年、GLP-1受容体作動薬は糖尿病・肥満症治療において重要な役割を担っています。本総説が、GLP-1受容体作動薬による臓器保護作用の理解をさらに深め、今後の基礎研究および臨床研究の発展につながることが期待されます。

Jiang Wenyi 先生、福長 健作 先生、採択おめでとうございます。
今後ますますのご活躍を期待しています。


 「2026年歩いて学ぶダイアベティスウォークラリーin香川」
 医療スタッフボランティア募集のお知らせ

 平素より大変お世話になっております。
 2026年11月1日(日)に、玉藻公園にて「2026年歩いて学ぶダイアベティスウォークラリーin香川」を
 開催いたします。
 本イベントは、糖尿病のある方やご家族、地域の皆様が、楽しみながら「食事・運動・健康」について
 学び、交流していただくことを目的としたウォークラリーです。
 当日の運営にご協力いただける医療スタッフのボランティアを募集いたします。
 医療スタッフの皆様には、参加者の安全面を支えていただくとともに、参加者との交流を通して、
 糖尿病療養支援や健康づくりに関わっていただければと思います。

 ■ 開催日時  2026年11月1日(日)
 ■ 会 場   玉藻公園(香川県高松市)
 ■ 取得可能単位 CDE香川ボランティア1単位
 ■ 申込締切 2026年10月19日(月) 
 ■ ボランティア活動内容 
  当日は、以下のような活動を予定しています。
  ・参加者の受付
  ・参加者のメディカルチェック(血糖・血圧測定)
  ・スタート・ゴール地点での参加者の誘導・整理
  ・チェックポイントでの参加者への対応
  ・ウォークラリー実施時の参加者サポート
  (グループに入り、参加者と一緒に歩いていただく等)

 医療スタッフの皆様のお力をお借りしながら、参加者の皆様が安心して楽しくイベントに参加できるよう、
 一緒に盛り上げていきたいと考えております。 
 ご多用のところ恐縮ではございますが、趣旨にご賛同いただき、ご協力いただける方はぜひご参加ください。
 皆様のご協力を心よりお待ちしております。


ファイルイメージ

タイトル:ABCA1 as a Gatekeeper of Pancreatic β-Cell Cholesterol Homeostasis: Links Between Lipoprotein Stress, Lipotoxicity, and Insulin Secretion
著者:Kensaku Fukunaga, Toshihiro Kobayashi, Takanobu Saheki, Takafumi Yoshimura, Wenyi Jiang, Haotian Zhang, Rathana Ly, Marino Kumano, Ayako Yamashita, Hitomi Imachi and Koji Murao

このたび、膵β細胞におけるコレステロール代謝とインスリン分泌の関係についてまとめた総説論文が、国際学術誌 Nutrients に受理されました。
膵β細胞では、細胞内のコレステロール量だけでなく、その取り込み、細胞内での輸送・貯蔵、そして細胞外への排出を適切に保つことが、正常なインスリン分泌に重要です。
本総説では、細胞内コレステロールを細胞外へ排出するATP-binding cassette transporter A1(ABCA1)に着目し、膵β細胞におけるコレステロール恒常性とインスリン分泌との関係について、これまでの研究成果を体系的に整理しました。
本総説には、村尾教授の指導のもと、当科の研究グループがこれまで長年にわたり取り組んできた、膵β細胞におけるABCA1の発現調節とコレステロール代謝に関する一連の研究成果が数多く含まれています。これらの研究成果を国内外から報告された最新の知見とあわせて整理することで、膵β細胞におけるコレステロール恒常性とインスリン分泌との関係を包括的に捉えることを目指しました。
特に、GLP-1受容体シグナル、IGF-1、PPAR-α活性化などがABCA1を介したコレステロール排出を促進する一方、アンジオテンシンII、TNF-α、酸化LDL、NMDA、miR-33aなどの代謝・炎症ストレスがABCA1の発現や機能を抑制し、膵β細胞機能に影響する可能性についてまとめています。
また、ABCA1のみならず、LDL受容体、PCSK9、ABCG1、細胞内コレステロール輸送・貯蔵機構などを含めた「コレステロールの流れ(cholesterol flux)」全体のバランスが、膵β細胞の機能維持に重要であるという新たな視点を提示しました。
これらの知見は、2型糖尿病における膵β細胞障害の病態を脂質代謝の観点から理解する上で重要であり、今後の新たな治療標的や研究につながることが期待されます。
本論文の作成に携わられた皆様、論文の受理、誠におめでとうございます。