香川大学医学部内分泌代謝内科の若い医局員として、連携病院での研修は非常に貴重な経験となっています。連携病院では、内分泌代謝疾患に関する幅広い症例を実際に診療する機会が豊富にあり、医師としてのスキルを実践の場で磨くことができます。

各症例の検討や治療方針についてカンファレンスで先輩医師や他のスタッフと活発な議論をおこないます。この場でのディスカッションは、自分の知識を深め、様々な視点からのアプローチを学ぶ良い機会となっています。

診療においては、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、詳しい問診や身体検査を通じて正確な診断を目指します。糖尿病、甲状腺疾患、脂質異常症など、様々な内分泌代謝疾患に対する治療計画を立て、適切な治療を提供するために努力しています。

月に数回行われる専門医による講義やセミナーも非常に有益です。最新の研究成果や治療法について学び、自分の診療に取り入れることができるため、常に最新の医療知識を身につけることができます。

連携病院での研修を通じて、多くの経験を積み、医師としてのスキルと知識を着実に向上させることができています。これからも、香川大学医学部内分泌代謝内科の一員として、地域医療に貢献できるよう努めていただきたいと思っています。


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さぬき市民病院


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屋島総合病院


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高松赤十字病院


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香川労災病院


Dr. Jingya Lyu(Department of Physiology School of Medicine、Jinan University)が令和5年11月1〜2日に香川県を訪問されました。Dr.Lyuは過去7年間にわたり当科で研究に従事し、多くの研究論文を発表されました。現在は中国で研究者として活躍されています。



令和5年11月14〜18日
当科村尾孝児が1995年にWong先生の研究室に留学して以来、長年にわたり共同研究を継続してきた。約30年ぶりにWong先生が香川県を訪問され医局員と至福の時間を過ごされた。



第20回合同地方会(日本臨床検査医学会)
会長:大塚文男先生(岡山大学総合内科学)
会期:令和6年2月17−18日
特別講演『HDL代謝と疾患』
香川大学医学部内分泌代謝・先端医療・臨床検査医学
村尾孝児、井町仁美、福長健作、小林俊博、佐伯岳信、吉村崇史

抄録
High-density lipoprotein (HDL)は一般的には善玉コレステロールとして認識されている。臨床検査ではHDLコレステロールの量が測定され、総コレステロール、LDL-C, TGなどとともに評価されるが、疾患の直接的な評価とはなっていない。一方、LDL-Cは悪玉コレステロールとして、その受容体の遺伝子異常は家族性高コレステロール血症と診断され臨床的な意義が明らかにされている。HDL代謝には3つの重要なステップがあり、それぞれ ApoA1, ABCA1, SR-BIがその主要分子となる。HDL代謝と疾患との関連を考える上では、それぞれの分子の遺伝子異常と臨床的な表現形を考える必要がある。ABCA1の遺伝子異常であるタンジール病は、血中HDL-C・ApoA1濃度が著しい低値を示す常染色体劣性遺伝疾患であり、HDL-C欠損症のほかオレンジ色の咽頭扁桃腫大、角膜混濁、末梢神経障害が特徴である。加えて高度な中性脂肪血症、脂肪肝、糖尿病の合併が報告されている。SR-BIの遺伝子異常に関しては、これまでに1家系のみが報告され、動脈硬化性疾患の罹患に関しては指摘されていない。SR-BIの遺伝子異常では、高HDL血症、血小板の形態異常及び副腎皮質機能の低下が報告されている。一方、ヒトSR-BIに対する自己抗体が検出されることが高安病で報告されており、血管内皮細胞での機能も注目されている。2型糖尿病に伴う脂質異常症は高中性脂肪血症および低HDL血症である。さらには2型糖尿病の原因として膵β細胞における糖毒性のみならず、脂肪毒性が注目されており、脂肪毒性によるインスリン分泌の低下が指摘されている。これら2型糖尿病の病態にもHDL代謝が関与することが報告され、脂質代謝と糖代謝の接点が指摘されている。今回は我々の研究室の結果も含めて、最近のHDL代謝研究について概説する。