Wind of olive(オリーブの風)

2019年5月21日
こんにちは
手術看護認定看護師の松尾です。
皆さんは手術室看護師って具体的に何をしているのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
手術室看護師といえば、『手術の介助』というイメージが強いのではと思います。
しかし近年は、周術期看護へと手術室看護師の役割が拡大されてきています。
という訳で、『手術の介助』それだけではありません。
術中はもちろん、患者さんが入院する前の術前外来から術後まで関わっています。
術前外来では問診をとり、全身状態の評価を麻酔科医師と共に行います。
最近、その術前外来である患者さんと出会いました。
その時のお話をしたいと思います。
その方は手術をうける予定ですが、原因不明の皮膚疾患を持っており
ステロイド剤・免疫抑制剤を服用しておられました。副作用のためか脱毛もあり、皮膚も弱く
その事を気にされている様子でした。いつものように問診を取り終え、最後に聞いておきたいことはないか質問したところ、ポツリポツリと話し始めてくれました。
掛り付けの皮膚科医師から「手術をうけるには危険性が高い」と説明を受け手術をすることが怖い、でも、主治医の先生からいろいろと説明をしてもらったので、大丈夫とは思うけれどやっぱり怖いと話しはじめてくれたのです。
私は、患者さんの訴えにうなずき同意しながら、質問にはわかりやすい言葉で答え、少しでも不安が解消できればと考えていました。術前外来の診察が全て終わり、帰る間際に患者さんから
「いろいろ丁寧に聞いてもらったので落ち着きました。ありがとう。」
と声をかけていただきました。
患者さんの思いを感じとり、患者さんの思いに寄り添った対応をすることで、こちらの気持ちも受け取っていただけ、安心感を与えられるのだと改めて感じた出来事でした。
手術室看護師は患者さんと直接関れる時間はごくわずかですが、このように短い時間の中で深い関わりを持つこともでき、手術室の中を知っているからこそ手術を受ける患者さんに伝えられるものがあると思っています。そして、当院で手術を受ける全ての患者さんが、この病院で手術をうけて良かったと言ってもらえるような手術室にしていきたい、そうすることが手術看護認定看護師としての私の役割であり目標としているところです。