腫瘍センター

センター長あいさつ

香川大学医学部附属病院は、がん治療において関連専門診療科による密接な連携のもと透明性のある組織横断的な集学的がん医療を行うとともに、地域の医療機関と連携して、がん診療の標準化、質の向上に寄与することを目的として平成19年4月1日に腫瘍センターを設立しました。 現在、日本では32万6千人ががんで死亡し、60万人ががんに罹っています。がんは全ての死亡原因の30%を占め、死亡原因のトップで、急速に進んでいる高齢化社会で益々がんによる死亡数が増加することが予想されています。また、一生の間にがんに罹る危険性は男性の2人に1人、女性の3人に1人になると推計され、早急な対応が迫られています。しかし、患者さんはがんに罹った場合どの病院のどの医師に掛かったらよいかわからない。どの治療が最もよいかわからない。といった問題を抱えています。

平成16年に開始された第三次対がん十カ年総合戦略で「がん医療の均てん化」を基本政策とし、全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差の是正を図り、これによってがんの治療成績を20%アップするという目標を立てました。平成19年4月には「がん対策基本法」を制定され、特定機能病院(大学病院)においても、がん治療専門の医療スタッフの育成、がん拠点病院との連携による治療水準の向上、診療科を超えたチーム医療、患者さんへの情報公開、がん登録が求められています。 そのため、香川大学医学部附属病院では、これを機会に腫瘍センターを開設し、香川県におけるがん診療の拠点病院として、また中国四国がんコンソーシアムの一員として地域の医療機関と連携するとともに、腫瘍学の研究及び教育に関連した病院機能の拡充を図っていきます。

腫瘍センターの業務には、がんの集学的治療(手術・抗癌剤・放射線治療など)の実施、診療科間のがん診療連携の企画・運営、がん治療に係る医療機関等との連携及びその推進、がん予防・診療についての研修及び啓発活動、がん患者登録、がん治療成績の公表、緩和ケアの推進であり、その実践のため、キャンサーボード(腫瘍会議)と以下の6つの部門 、がん化学療法プロトコール審査部門 、外来化学療法部門、がん診療地域連携部門、がん登録部門、緩和ケア部、がん診療相談部門から成り立っています。

がん患者さんにとって最適ながん医療を提供するために手術、放射線、化学療法、および緩和医療の各専門医による共通のキャンサーボード(腫瘍会議)を設け、最適な治療方針を患者さんに提示します。また、各種のがん相談やセカンド・オピニオンに応じ、治療成績の公表や、がん医療情報の発信などを行います。さらに、エビデンスを得るための臨床研究や基礎研究を強力に推し進め、中国四国地域の医療機関と連携し(コンソーシアム)、がん専門医あるいはがん専門看護師、物理士、薬剤師など医療スタッフの育成に努めます。今後、がん患者さんのみならずがん医療に携わるすべての方々にがん情報を発信していく予定です。どうかよろしくお願い申し上げます。

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