11月10日~11日、糖尿病学会中国四国地方会第60回総会が開催されました。今回は現地開催のみということで、医局員一同、開催地の広島に出向き、シンポジウム1題、YIA1題、一般口演4題の発表を無事終えることができました。コロナ禍でWebでの開催が続いていましたが、久しぶりの現地開催ということで、各々感染対策をしっかりと行いながらも、中国四国地方の先生方と発表を通して活発な議論や交流を行うことができ、大変良い刺激を受けた会となりました。




Lyu先生の研究論文がCurrent Issues in Molecular Biology誌に採択されました。
グルカゴン様ペプチド 1 受容体アゴニスト (GLP-1RA) は、内皮機能を保護することが臨床的に証明されています。我々は以前に、内皮NOシンターゼ(eNOS)が、ヒトHDL受容体(hSR-BI / CLA- 1)によって活性化されることを報告しています。私たちの結果は、GLP-1RがHUVECで発現され、exendin-4がHDL誘導eNOS活性化を大幅に強化したことを確認しました。次に、exendin-4 は hSR-BI/CLA-1 の発現を増加させ、GLP-1R の遮断はこの効果をキャンセルしました。さらに、hSR-BI/CLA-1 転写活性は exendin-4 によって増強され、これは AMPK またはドミナント ネガティブ AMPK-α サブユニットの阻害によって減少しました。さらに、AMPK は GLP-1R の活性化によってリン酸化されました。FoxO1結合の突然変異またはFoxO1のサイレンシングは、hSR-BI/CLA-1発現に対するexendin-4の効果をキャンセルした。 Exendin-4 は FoxO1 のリン酸化を減少させ、その核への蓄積を誘導しましたが、この効果は GLP-1R の遮断または AMPK 経路の阻害によって変化しました。要約すると、我々の結果は、GLP-1 が AMPK/FoxO1 経路を介して hSR-BI/CLA-1 発現を増加させて eNOS を活性化し、内皮機能に対する GLP-1RA の保護効果を強調する基本的なメカニズムを提供することを証明しました。


論文タイトル:Exendin-4 Increases Scavenger Receptor Class BI Expression via Activation of AMPK/FoxO1 in Human Vascular Endothelial Cells
Lyu J, Imachi H, Fukunaga K, Sato S, Kobayashi T, Saheki T, Japar S, Iwama H, Matsumura Y, Ozaki M, Yoshimura T, Murao K.
Curr. Issues Mol. Biol. 2022, 44(11), 5474-5484


2022年11月7日
以前から香川県は糖尿病の受療率が全国的にみても上位を推移しています。県民の関心の高い糖尿病について、発症する原因や治療法について、また、健康な人でも今後 糖尿病を含めた生活習慣病にならないようにするために日常で気をつけたほうが良いことについてなど、分かりやすくお話をさせて頂きました。


近年、生活習慣の変化で糖尿病患者の激増が危惧されています。香川県の調査では、児童における肥満 傾向の割合が男子・女子とも微増しており、耐糖能異常、脂質異常、脂肪肝リスクなど、将来的に生活習 慣病の原因となる項目についても増加傾向にあります。

加えて、近年のコロナ禍において児童生徒の身体活動が、コロナ禍以前に比べて明らかに減少傾向とな っています。これらの状況から、自宅で過ごす時間や日常生活習慣、学校外での生活習慣の教育は非常に 重要であると考えられます。

これらを踏まえ、小児生活習慣病予防健診として血液検査を受けた4年生児童を対象に、体の仕組みや 生活習慣の大切さについて興味をもってもらうきっかけとなればと考え、世界糖尿病デーである 11 月 14 日(月)に下記企画を実施予定です。


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最近、健康診断で血糖値の上昇を指摘されることがよくあります。小林先生は、血糖値が上昇する糖尿病について分かりやすく説明し、血糖値測定の重要性及び最先端の血糖値測定機器の紹介と解説をされました。
令和4年10月28日(金曜日)