抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)について

PEPとは?

PEPとは、曝露後予防(Post Exposure Prophylaxis)の略で、HIVに感染したかもしれない行為後(曝露後)72時間以内に、抗HIV薬(HIVに対する治療薬)の内服を開始することで、HIVに感染するリスクを低下させる予防方法のことです。

PEPの対象になる方について

HIV感染者あるいはその可能性がある人とHIVに感染しうる性交渉(例えば、コンドームなしの性交渉)を行って72時間以内の方が主な対象になります。性交渉の相手がHIV陰性者であることが明らかな場合、あるいはご自身がすでにHIVに感染している場合には、PEPの対象にはなりません。

費用について

性交渉後の抗HIV薬の曝露後予防内服については、日本では未承認薬のためその使用は保険適応外となり、自由診療となります。特に、外国に生活の拠点を有する方(日本国籍を有するかたも含みます)については当院諸料金規程第2条に則り、診療報酬の算定方法に30円を乗じた費用を負担いただくことに同意願います(消費税別)。

*診療に係った費用については当日全額支払っていただくことになります。ただし、平日でも診療終了が時間外になると当日の診療費の収受はできかねますので、「債務確認書」に署名いただき、後日のお支払いになります。なお、クレジットカードでのお支払いも可能ですが、取扱時間は平日8:30~17:15となっています。

*自由診療(診療報酬点数1点=10円の場合)の内訳は下記の通りです(診療報酬に準拠(消費税別):令和元年10月時点・税抜き/診療報酬改定によって費用の変更があります)。
(実際の費用と異なる場合もあります。また、診療報酬点数の変更に伴い金額も変更します)

初診時:初診料: 2,920円
検査料: 約10,000円 HIVスクリーニング検査、白血球数や肝腎機能などの血液検査 
(検査項目によって差額が生じることがあります)
薬剤費: 680円 抗HIV薬(2週間分・院外処方)の院外処方箋料
→調剤薬局でお薬をお受け取り下さい。

再診時:再診料(外来診療料): 740円
検査料: 2,870円 白血球数や肝腎機能などの血液検査(副作用有無の確認のため)
(検査項目によって差額が生じることがあります)

薬剤費: 680円 抗HIV薬(2週間分・院外処方)の院外処方箋料
→調剤薬局でお薬をお受け取り下さい。

PEP後のフォローアップ時:
(原則として、服薬開始1か月後、3あるいは4か月後、6か月後)
再診料: 740円
検査料  3,320円 HIVスクリーニング検査

受診方法について

1.当院の代表 にお電話いただき、「HIVの予防内服PEP(ペップ)希望」とお伝えください。
  TEL: 087-898-5111
  受付時間:8時30分~16時(土、日、祝日、病院休診日、時間外は不可)      

2.担当職員より、注意事項を説明します。
●PEPの対象であるかどうか、質問させていただきます。
●費用と支払い方法について同意をいただきます。(保険適応外で、自由診療であること)
●お名前、生年月日、ご連絡先(居住地・住所など)、公的医療保険証の有無、当院受診歴、利用言語などを確認させていただきます。

3.受診日時をお伝えします。担当医師への確認のため、連絡先を確認させていただいた後 、 当院から再度連絡することもあります。

初診からの流れ

1.当院来院後、中央診療棟1階の総合受付で、初診受付の手続きを行います。
日本の公的医療保険に未加入での外国籍で日本に生活の拠点のない方は、パスポートと 在留カード、必要に応じてクレジットカードの提示をお願いします。

2.担当医師の問診と診察
・診察室(個室)で担当医師が問診と診察を行います。
・血液検査を受けていただきます(HIVスクリーニング検査と肝腎機能などを血液で検査し、HIVに感染していないことの事前の確認と薬の内服可能かどうかを判断します)。
・薬剤の効果、副作用、内服方法、保険適応外使用に関する費用等についての説明を受けた後、同意文書に署名していただきます。

3.抗HIV薬の処方
・初回は、2週間分の処方を行います。院外処方箋をお渡しいたしますので、調剤薬局で 薬をお受け取り下さい。

4.調剤薬局での薬の受け取り
・処方箋を提示する際、保険適応外の自由診療であることをお伝えください。
・薬代をお支払いの上、処方薬をお受け取り下さい。クレジットカードでの支払いが可能 かどうかについては、事前に調剤薬局に確認ください。

5.再診
・服薬開始後2週間目に再度受診していただきます。
・血液検査で、副作用がないか確認します。
・副作用がないことを確認後、2週間分の処方を行います。院外処方になります。
処方箋をお渡しいたしますので、調剤薬局で薬をお受け取り下さい。調剤薬局では、 保険適応外の自由診療であることをお伝えください。

6.その後の経過観察
原則として、服薬開始1か月後、3あるいは4か月後、6か月後にHIV検査を受けることをお勧めしております。その際、B型肝炎やC型肝炎の検査も合わせて受けていただくことをお勧めします。ただ、それらの検査にかかる費用についても自由診療となり、別途お支払いいただくことになります。

薬の副作用について

1.PEPで使用される薬剤の副作用では、嘔気などの胃腸障害や不眠、いらいら感、浮動性 めまいなどが報告されております。ほとんどの場合は軽度なものですが、不明なこと があれば担当医などに確認ください。

2.PEP服用後の副作用は、医薬品副作用被害救済制度が適応されません。副作用出現時にかかる診療費、薬剤費、検査費用などは自由診療となりますので、予めご了承ください。

3.服用後、気になることがありましたら、当院の担当医あるいはHIV・AIDS対策室 (☎(代表)087-898-5111)までご連絡ください。
受付時間:8時30分~16時(土、日、祝日、病院休診日、時間外は不可)

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