HIV感染者の日常生活について

HIVの感染力は弱く性行為以外の社会生活の中で移ることはほとんど無いといわれています。HIVの主な感染経路は性行為・血液・母子感染です。
HIVに感染すると、自分が人にうつすのでないか、人から違う病気をもらうのでないか、そうならない為にどのようなことに気をつけて日常生活を送ればよいかなど、不安に思われている方は多いと思います。

1.食事

食事前には必ず石鹸で手を洗い清潔にしましょう。食事を準備する際にも、包丁やまな板など調理器具も清潔にしておきましょう。
CD4低値で感染を受けやすい状態の時には、生ものは避け、火を通し調理したものを食べましょう。

2.就業・学業

HIVは人の体の中で生き続けることができるウィルスですが、空気中や水の中などに出てしまうと、感染力をなくします。また、HIVを多く含むのは血液、精液、腟分泌液、母乳といった体液であり、通常の社会生活の中で感染することはありません。
HIVに感染しても仕事や学生生活を続ける事は可能です。CD4が低値になった時はマスクを着用し人混みは避けた方がよいでしょう。

3.運動

どのような運動も可能です。転倒や怪我で多量の出血があった場合は、血液感染する可能性があります。血液を拭き取った後はナイロン袋に入れ、蓋を閉め可燃ごみに出します。

4.性生活

性生活を行う人なら誰でもHIVに感染する可能性があります。性行為によりHIVウィルスが粘膜や傷口から血液内に入り感染します。性行為の時には必ずセイファーセックスを心がけましょう。

5.内服治療薬

必ずしも、すぐに治療が始まるわけではなく、定期的な検査で、HIVのウィルス量・CD4陽性細胞数・その他の健康状態などを総合的にみて、治療開始のタイミングをはかります。
内服薬が開始すると薬は決められた時間に正しく飲む必要があります。薬の飲み忘れが続くと、HIVはその薬が効かない耐性ウィルスとなり、治療が困難になることがあるので注意が必要です。また、他の薬の飲み合わせにも注意が必要です。

6.ペット

免疫が低下している場合、ペットと濃厚接触する事で他の感染症を引き起こす場合があるので気をつけましょう。

7.酒・たばこ

喫煙は、HIV感染者に限らず身体に有害です。煙草の中の主成分は一酸化炭素であり喫煙者はそれだけ細胞内一酸化炭素不足に陥り、ニコチンは全身の血管を縮め動脈硬化を促進し、タールにはカドミウムやヒ素・ダイオキシンなど有害物質をたくさん含んでいます。そのため禁煙をお勧めします。
また、少量のアルコールはストレス発散になることもありますが、飲みすぎると無防備な性行為により感染を拡大させる事に繋がりかねません。注意が必要です。

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