香川大学医学部看護学科　成人看護学

成人看護学の紹介

　成人看護学では、看護師課程のカリキュラムの中でも14単位という多くの単位を修得する領域です。成人看護学では、発達段階から青年期・壮年期・向老期の健康問題を抱える人を対象にした看護を学びます。具体的には、成人期の特徴、手術により危機的な状況にある患者の看護、回復期にありリハビリテーションを必要とする患者の看護、生活習慣病などの病気の自己管理をもとめられる患者の看護、心穏やかに人生の最終を迎える患者の看護について学習をします。

成人看護学で学習する科目（学部）

成人看護学概論

豊富な視聴覚教材成人の特徴を理解し、成人を取り巻く社会や生活環境、保健医療システム、家族形態や機能などから、成人期の患者と家族に起こりやすい健康上の問題を理解します。また、発達段階や生活経験の蓄積という観点から看護の方法を学びます。

成人疾病論

医学科の先生からの講義看護の対象となる人々が最も必要としている援助の内容が理解でき、かつ実践できるだけの知識と技術を習得するために、成人の代表的な疾患の病態・症状・診断技能・治療について学習をします。

成人急性期援助論

手術後患者の状態のシミュレーター人形健康状態が急激に変化する手術療法を受ける成人患者が、手術による身体的、精神的、社会的な変化に適応するためには、手術や麻酔が身体に及ぼす影響、患者の心理状態、手術前・中・後の身体的ケア方法について学習をします。

成人慢性期援助論

担当教授が作成したDVD生涯にわたって病気をコントロールしなければならない慢性期の患者とその家族の体験の世界の理解を深めるとともに、慢性期の成人患者が必要としている看護援助を判断し、個別的な看護が展開できるための知識・技術・態度を学びます。

成人リハビリテーション期援助論

車椅子移動での移送方法健康状態が回復期にある成人患者が受傷後、社会復帰に向けてのリハビリテーションを行うために、日常生活動作、二次合併症の予防、患者教育方法について学習し、トランスファー、筋力訓練、ストーマケア、呼吸訓練方法などの演習をします。

成人終末期援助論

ハンドマッサージによるコンフォートケア人生半ばにして死にゆく病のなかで成人患者とその家族が経験している身体的・精神的・社会的・霊的苦痛について学習します。そして、患者と家族がそれらの経験に意味を見いだし、心穏やかにその時を迎えられる看護について学びます。

成人看護学演習

臨床看護技術の習得に必要
な物品を揃えています成人期の代表する疾患における事例を通して、患者に関する必要な情報を収集し、その情報をアセスメントし、看護における問題点を明確にした上で、看護ケア計画を立案できる看護過程の展開方法について学習をします。

成人看護学基本実習

病棟で経験頻度の高い看護技術を事前に習得します附属病院では、実習を行う急性期病棟と慢性期病棟に1日ずつ行き、オリエンテーションや看護ケアのシャドーイングを体験します。手術室やICUを見学します。また、学内では、病棟実習で実施する頻度の高い看護技術の習得に向けた演習を行います。

成人看護急性期・リハビリテーション期実習

全身麻酔で手術を受ける患者さんを受け持ちます手術を受ける患者と家族を多面的に、総合的に理解し、根拠に基づいた看護ケアを実施します。そのため、周手術期およびリハビリテーション期の特性に応じた対象の個別的な看護過程を展開する能力を身につけます。

成人看護慢性期・終末期実習

学内での実習前看護実践能力試験の様子　成人慢性期・終末期にある患者とその家族を多面的、総合的に理解し、疾病・機能障害の慢性期・終末期の特性に応じた個別的な看護過程を展開する能力を身につけます。その体験を通して学生個々の看護観を培い看護者としての成長と発達を促します。

成人看護学継続実習

外来看護師とのカンファレンス入院患者に対する退院後の継続看護の視点から、後方支援施設としての緩和ケア病棟やリハビリテーションセンターでの施設見学を行います。また、附属病院では見学実習を通して、外来における看護の役割や機能を学習します。