研究活動紹介
第4回四国4大学合同研究発表会にて大学院生甲斐さんが表彰されました!
令和4年12月8日、9日に開催された四国4大学合同研究発表会に香川大学医学系研究科看護学専攻を代表して当研究室修士課程院生甲斐さんが修士論文「青年前期にある子どもの体格に対する親の認識」を発表し、優秀研究賞を受賞しました。
この研究発表会は、四国の国立大学4校の医学系研究科の学生が集まり、研究を発表するというものです。今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、残念ながらオンライン開催となってしまいましたが、それでも院生さんたちの熱心な研究成果が16演題発表され、活発な質疑応答が展開されました。
看護学からの発表者は2名のみで、薬理学や微生物学、環境医学などの基礎医学を専攻する学生さんの発表が多い中、気後れすることなく、堂々と発表することができました。制限時間いっぱいに4件の質問をいただくことができ、大いに刺激を受けることができました。修了後は特別区の保健師として活躍が予定されていますが、研究者としての姿勢を学んだことは、今後の飛躍につながることと期待しています。
甲斐さん、おめでとう!
論文「Adiposity rebound may be a predictive index of body size for adolescents―Based on retrospective cohort data in a Japanese rural area」が出版されました!
前回の投稿でも紹介させていただきましたが,12月28日に標記論文がジャーナル「Obesity Research & Clinical Practice」に無事に掲載されました。これは,通常6歳前後に認められるアディポシティリバウンド(AR)と呼ばれる体格指標Body Mass Index(BMI;体重[kg]/身長[m]2)のリバウンド現象が早期もしくは後期にあることがその後の体格を予測するかもしれないという仮説を日本人小児において確認した研究です。山梨県都留市内に在住する全ての小児を対象とした体格推移のデータを分析した結果,ARが6歳より早期に認められると青年期の脂肪過多のリスクを男児で約8倍,女児で約5倍に増加させ,6歳より後期に認められると青年期の痩せのリスクを男児で約6倍,女児で約8倍増加させることを示しました。ただし,そもそも肥満や痩せの有病率が低い日本においては,その予測力は高くなく肥満で40%程度,痩せでは10%程度でした。
とはいえ,青年期の体格異常は,その後の生活習慣病の発生と関連するといわれており,このような現象に着目し,乳幼児健診を活用した超早期生活習慣病予防対策の可能性へとつながることが期待できます。
今後,この結果が他の地域においても当てはまるのか,また,どのような因子がARの時期を決めるのか,明らかにしていきたいと思っています。
こちらはオープンアクセスで閲覧可能です。下記のDOIをご参照ください。
チェンマイ大学(タイ王国)・国立嘉義大学(台湾)・香川大学による「Trilateral Symposium on SDGs」がオンラインにて開催されました!
9月6日(月)日本時刻午後3時より3か国シンポジウムが開催されました。これまで香川大学はチェンマイ大学と合同シンポジウムを隔年で開催しており,今年度は,さらに国立嘉儀大学を加えた3大学の合同シンポジウムに発展させることになりました。
このシンポジウムは、3大学間の持続可能な連携強化及び国際的な教育研究活動を促進・奨励することを目的とし、各大学の将来を担う若手研究者の交流を促進するものとして開催されました。
医学部からは医学科・看護学科各1演題ずつ発表する機会があり,今回,当地域看護学より芳我教授が「Adiposity rebound may be a predictive index of body size for adolescents, based on retrospective cohort data in a Japanese rural area」を発表させていただきました。これは,小児期早期からの肥満予防,生活習慣病予防を目指してアディポシティリバウンドと呼ばれる現象について焦点を当てたもので,世界の健康課題である生活習慣病予防に新たな視点を提示する可能性のあるテーマとして,共同研究の可能性をもつと評価していただきました。なお,本研究の具体的な内容については,現在,論文として投稿している最中です。パブリッシュできましたら,改めて報告します。
オンライン交流の様子
シンポジストとしての参加証明書
4月より研究会(修士ゼミ)はじめます!
第4月曜日の午後3時より,月1回定例の研究会をはじめます。最初は,修士学生のゼミとして開催予定ですが,オープンな場として,研究相談,進捗状況報告などの場として活用していく予定です。ご希望者がいれば,是非,ご参加ください。
なお,現在の教室員の研究テーマは,「Adiposity Rebound(AR)のタイミングは思春期の体格を予測できるか」(芳我),「虐待通告を受けたシングルマザーの育児経験の解明」(辻)です。前者は,ARと呼ばれる,およそ生後3年から7年の間に出現するBody Mass Index(BMI;体重[kg]/身長[m]2)が最小値を示す年齢が早期になると,その後の肥満や循環器疾患の発現率が上昇するという,フランスの研究者M F Rolland-Cacheraが提唱した説を検証するものです。この説が,もし信頼性と妥当性をもつものであるなら,小児期早期からの生活習慣病予防のストラテジーを提案することができるかもしれません。
後者は,虐待通告を受け,子どもを保護された経験をもつシングルマザーへの面談内容をまとめ,児童虐待に関わる支援者の対象理解を深めるための資料を提供するものです。
論文としてまとまりましたら,ご報告させていただきます。