1.普段どのような仕事をしていますか?
普段の業務では、医学部の広報に関係する仕事を担当しています。具体的には、医学部・医学部附属病院のHPの記事や作成される広報物の内容確認が挙げられます。
特に香川大学医学部附属病院では、「オリーブ便り」と広報誌「KUH 香大病院PAPER」の発行や、医療セミナー「イキイキさぬき健康塾」の放送など、様々な媒体での情報発信に積極的に取り組んでおります。毎回、香川大学医学部附属病院の特色を活かしたテーマの記事や特集をお届けしております。この記事を読まれている方におかれましても、もしかしたらお知り合いや同級生が載っているかもしれません。いずれともWebでも公開しておりますので、ぜひこの機会にご覧ください。
【オリーブ便り】
https://www.med.kagawa-u.ac.jp/hosp/byouinnews/
【KUH 香大病院PAPER】
https://www.med.kagawa-u.ac.jp/hosp/about/kuh/
【イキイキさぬき健康塾】
https://www.med.kagawa-u.ac.jp/hosp/about/seminardouga/
2.この仕事の好きなところ・面白いところは何ですか?
広報という業務の性質上、様々な「現場」の空気に触れることのできる点が特徴的で面白いのではないかと考えています。
例えば、取材のために手術棟を訪れた際には、建物に入った途端にスタッフの皆さんが集中している緊張感が伝わってきて、自分も自然と背筋が伸びる思いになりました。またそのような空気感からか、手術室と廊下を隔てている金属製の自動扉がより重々しく厳粛なものに感じられたことが特に印象に残っています。
一方で、毎月9のつく日には「くーちゃん」の日ということで、香川大学医学部附属病院キャラクターの「くーちゃん」が、医療技術部のスタッフの皆さまと一緒に病院の玄関でご挨拶をしております。おかげさまで院内での「くーちゃん」の知名度も高まってきたようで、病院に来られる患者さんだけでなく、スタッフの皆さんからもたくさん声を掛けていただいております。そして病院長も実はこの「くーちゃん」の日を非常に楽しみにしておられるようで、忙しい予定の合間を縫って立ち寄られることもありました。これも多種多様なメンバーで構成されている香川大学医学部の「現場」の空気感なのだと感じられる場面でした。


3.仕事で大切にしていることは何ですか?
仕事では特に、事前の入念な準備を大切にしております。取材の「現場」ではその時々が常に勝負です。限られた時間内でインタビュアーが話題について掘り下げたり、あるいは映像の収録が行われるなかで、より良いものが引き出されるようなきっかけを作る手助けができたらと考え、非常に月並みですが、話題に関連する資料や情報、あるいは養生テープといったささいな物品に至るまで、すぐに提供できるような体制で臨めるよう心がけています。また、何か失敗をした際には「品種に勝る技術なし」という言葉を少し拡大解釈し、その経験を一個人に留めず次へ活かすことができるよう意識しています。
4.趣味や仕事のとき以外の過ごし方など教えてください
事務の仕事となるとやはり精神が先に疲弊してしまうことが多いため、休みの日はさんぽ(山歩)に出かけ、身体も疲れさせることでバランスを取っています。また、旅行に出かけた際にもさんぽをすることがあります。観光地を点で巡るのではなく、自分の足で時間をかけて、時には舗装路の先に踏み込むことで、その地域についてより深く知ることができたような気分になれます。




5. 香川大学医学部の良いところを教えてください
医学部では特に組織に対して愛着を持ち、仕事に臨まれている方が多いように感じています。香川大学の卒業生が香大病院のスタッフとして働いていることも少なくないといった組織風土も作用しているかもしれませんが、それよりも強く感じられるのは50年という香川大学医学部の歩みの長さでした。取材の際には必ずと言っていいほど年齢を問わずに誰かから「自分は香大病院で生まれたんだ」という話が飛び出すため、香川大学医学部が地域に根付きそして築き上げていった相互関係を強く感じ取ることができました。
6.これからの香川大学に求めることを教えてください
昨今、生成AI等の発達は目覚ましく、文章はもとより画像や動画まで瞬時に出力できるようになりました。しかし、そのような中だからこそ「現場」からの情報発信の重要性はより増していると考えています。情報が正確であることはもとより、「現場」の空気感まで伝えられるような、また楽しめる企画を通して、香川大学がさらに地域に必要とされるものになればと考えています。
<インタビューを終えて>
現場の空気を肌で感じ、その雰囲気ごと丁寧に伝える姿勢に深く共感しました。入念な準備や、一つひとつの出会いに向き合う誠実さが印象的で、広報に携わる者として多くを学ばせていただきました。今回は顔写真なしのインタビューでしたが、美しい雪山や寝袋にくるまる姿からは人柄が伝わってきました。山と同じく、広報の現場も一歩一歩の積み重ねと感じました。