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香川大学医学部開講50周年記念特定基金

この場所で輝く ~現場の声とメッセージ~
2025.8.12
香川大学医学部付属病院
助産師 小松 千佳さん

1.簡単な生い立ちなどを教えてください。(どこで生まれた、どんな学生だった、など)
私は生まれも育ちも香川県小豆島です。自然豊かな島でのびのびと育ちました。高校卒業後、香川大学に入学し、入学当初は大都会の高松の街に毎日ワクワクし、とても楽しい学生生活を送っていました。大学の講義では、いつも一番前の席に座り、成績はどうであれ、やる気だけはある学生だったと思います。特に実習がとても楽しく、今でも実習中の出来事を鮮明に覚えているぐらい印象的です。また、バレーボール部に入部し、週4日の活動に打ち込み、仲間とともに日々汗を流していました。
 
2.普段どのような仕事をしていますか?
助産師として西病棟2階に勤務しています。ここは周産期科女性診療科の病棟で、妊産褥婦さんの身体面・精神面のケアを行ったり、新生児の観察やケアを行っています。かわいい赤ちゃんたちに癒され、時に分娩係として汗だくになりながら、少しでも思い出に残る、そして満足度の高いお産になるように日々試行錯誤して業務を行っています。また、昨年度から臨地実習指導者として、実習に来られる学生さんと多く関わらせて頂いています。助産師の熱い思いを伝えることに必死で、ついつい熱が入り過ぎることもあります。しかし、実習を終えた時に「母性実習はとても楽しかった」「助産師を目指したいと思った」など、学生からの言葉を聞き、自分自身のやる気に繋がっています。

3.なぜこの仕事を選びましたか?(偶然ですか?なりたかったですか?)
小さい時からとにかく赤ちゃんが大好きでした。高校時代にふれあい看護体験に参加し、赤ちゃんに関われる職業ということで助産師にたどり着きました。その時からずっと助産師になりたいと考えていました。途中、実習で様々な病棟・施設を回っているうちに、循環器領域がとても興味深く、看護師として就職しようと考えた時もありました。しかし、実習最後のクールがなんと母性看護学実習で、そこでお産を見学させていただきました。その時の助産師さんがとてもかっこよく輝いており、一瞬にして「やっぱり助産師になりたい!」と思いました。
 
4.仕事中にぶち当たった壁はありますか?どのように克服しましたか?
言葉の壁です。最近、外国人患者さんを受け持つことが多くありました。私は語学力が全くなく、「英語が話せたらもっともっとこの方をサポートできるのに」と何度も悔やみました。幸い、最近では翻訳ソフトというとても便利なものがあるため、それらを駆使しながらコミュニケーションを図りますが、やはりニュアンスが少し違ったり、伝わっているようで伝わっていなかったりします。このような場面が多くあり、独学ではありますが、医療英語の勉強を始めました。いつ成果を発揮できるかは分かりませんが、いつか翻訳ソフトに頼らず、外国人患者さんとコミュニケーションを図れるようになりたいと思います。
 
5.仕事で大切にしていることは何ですか?
少し細かいところになりますが、分娩介助をさせて頂いた後の母子手帳の記入です。母子手帳には、分娩介助した助産師の名前を記載する欄があります。2024年の合計特殊出生率は1.15と過去最低となりました。一生に一度かもしれない分娩に立会い、赤ちゃんにとって世界で一つしかない母子手帳の欄に自分の名前を書くということは、嬉しい反面、一生残るものであるため、身の引き締まる思いです。忙しい業務の中でも、母子手帳を記入する時には、一息おき、落ち着いた状況で思いを込めて記入させてもらっています。
 
6.この道(仕事)を目指す人にかけたい言葉は何ですか?
助産師は、専門性も高く幅広いフィールドで活躍できるとても素晴らしい仕事だと思います。日々、生命と関わる仕事は決して明るいことばかりではありませんが、女性とその家族のそばに寄り添う仕事に、必ずやりがいと喜びを感じるはずです。

7. 香川大学医学部の良いところを教えてください
私は、香川大学卒業後、助産師資格取得のため県外の大学に通いました。しかし、何も悩むことなく1年後には香川大学医学部附属病院に入職しました。決めては、卒業生がたくさん活躍し、切磋琢磨した仲間や先輩・後輩が多く就職しているということでした。今でも大学時代の仲間たちと会うと、ホームの安心感があり、どこか落ち着くように思います。卒業生が「ここで働きたい!」と思える、それこそが香川大学医学部の良いところだと感じます。
 
8.これからの香川大学に求めることを教えてください
私が香川大学に入学した時と比べ、現在医学部には、臨床心理学科や医学系研究科看護学専攻に助産学領域と公衆衛生看護学領域、そして博士後期課程などが設置されています。医学部だけではなく、他5学部においても幅広い分野を学ぶことができるとても素晴らしい大学だと感じます。先日、「卒業生が活躍している大学」中四国総合ランキング1位になり、一卒業生としてとても嬉しく思いました。どんどんレベルアップしていく香川大学、これからも「香川大学で学びたい!」と思われる大学であり続けてほしいと思います。
 
<インタビューを終えて>
助産師としての確かな専門性と、人への深い思いやりが伝わるインタビューでした。実習での経験や、母子手帳に名前を記す瞬間への誠実な気持ちなど、一つひとつの言葉に仕事への愛情がにじみ出ていて胸を打たれました。「この仕事が本当に好きなんだな」と思える素敵な内容でした。