1.簡単な生い立ちなどを教えてください。(どこで生まれた、どんな学生だった、など)
大阪生まれで、小さい頃は東京で過ごしました。その後、香川大学の大学院博士課程に来るまではずっと大阪です。大学4年生で研究室に配属されるまでは、正直なところ、いわゆる「ダメダメな学生」(笑)。講義もそこそこに、生活態度もあまり褒められたものではありませんでしたね。
2.普段どのような仕事をしていますか?
大学の教員として、いわゆる「THE・基礎研究」という感じの研究に取り組んでいます。それと同時に、学部生や大学院生の教育にも携わっています。未来の研究者を育てるのも大事な仕事ですね。
3.なぜこの仕事を選びましたか?(偶然ですか?なりたかったですか?)
これはもう、完全に偶然です!大学3年生までは本当にダメ学生で、「とにかく楽して生きていきたいな~」なんてことばかり考えていました(笑)。でも、研究室に配属されて研究というものに触れたら、これがもうビックリするくらい面白くて。そこからは人が変わったように真面目に実験・研究に取り組むようになりました。「これはもう辞められないな」と感じて、大学教員の道を目指した、という感じです。
4.この仕事に惹かれた理由は何ですか?
やっぱり、「わからないことを、自分で実験して、自分の手で明らかにしていく」というプロセスですね。しかも、それがもしかしたら社会の誰かの役に立つかもしれない、と考えるとワクワクします。

5.これぞという仕事の成功談はありますか?
うーん、研究って本当に失敗の連続なんですけど、時々うまくいくことがあるんです。その「時々」の一つ一つが、どれも「これぞ!」と言えるくらい嬉しいので、一つを選ぶのは難しいですね(笑)。
6.仕事の失敗談はありますか?
これはもう、日常茶飯事です!思ったように実験結果が出なかったり、仕事が計画通りに進まなかったり。研究費の申請書や論文がリジェクトされるなんてこともしょっちゅうで、ほぼほぼ失敗の積み重ねと言っても過言ではないかもしれません(笑)。でも、不思議とそれでも楽しいんですよね。
7.仕事中にぶち当たった壁はありますか?どのように克服しましたか?
大学院生の頃ですが、海外の学会で発表した時に、質疑応答が全然うまくできなくて、本当にコテンパンに打ちのめされた経験があります。あれはトラウマレベルでしたね…。それまで日本国内ではある程度通用していたので、「一歩外に出たら、自分は研究者として全く通用しないんだ」と痛感しました。その後は、海外留学を経験したり、意識して外国人研究者と交流したりすることで、なんとか乗り越えてきた感じです!
8.この仕事の好きなところ・面白いところは何ですか?
これは、仕事に惹かれた理由とほぼ同じですね。「わからないことを、自分で実験して、自分の結果でわかるようになること」。そして、その成果が「もしかしたら社会の誰かの役に立つかもしれない」と思えるところです。
9.今後の展望は何ですか?何を目指していますか?
僕は生体内の「水」に関する研究をしているんですが、この水研究という視点から、将来的には皆さんの健康増進に貢献したいと考えています。例えば、老化に伴う皮膚の乾燥を防いだり、といった身近なことからですね。さらに大きな視点では、地球温暖化や水不足といった地球規模の課題に対しても、生物が乾燥や脱水に強くなるようなメカニズムの解明などを通じて、何か解決の糸口を見つけていきたいです!
10.モチベーションを持続している秘訣(いま輝いている秘訣)は何ですか?
とにかく「日々後悔しないように、やりきる!」ということと、「何事も楽しむ!」ということを意識しています。もちろん、辛い時もありますけど、そういう時は自分が好きなことをして思いっきり気分転換します。私の場合は…まあ、美味しいお酒とかですかね(笑)。



11.仕事で大切にしていることは何ですか?
やっぱり「楽しむこと」ですね。それと、「誰かの役に立つかもしれない」と思うと、自然と嬉しくなって頑張れます。
12.この道(仕事)を目指す人にかけたい言葉は何ですか?
基本的には、うまくいかないことの方が多いです。論文もなかなか通らないし、研究費の申請も簡単には通りません。でも、時々ものすごくうまくいく瞬間があって、その時の喜びは本当に格別なんです。だから、「Never give up!」そして何より「楽観的に楽しんでいきましょう!」と伝えたいですね。
13. 香川大学医学部の良いところを教えてください
確かに、香川大学医学部は「田舎にある」とか「地方大学だ」とか「規模が小さい」とか言われるかもしれません。でも、逆に小さいからこそ、地方だからこそ、そして香川県というコンパクトな県だからこそできることがあるんです。その「だからこそ」の部分が、実はすごく面白いんですよ。
14.これからの香川大学に求めることを教えてください
香川でしかできないこと、地方だからこそできること、そういった強みを最大限に活用して、もっともっと輝いてほしいですね!中央都市の大きな大学よりも、キラリと光る存在になれるポテンシャルが、香川大学には絶対にあると思っています。
<インタビューを終えて>
「わからないことを、自分の手で明らかにしていく」。その言葉の通り、先生の語る一つ一つのエピソードからは、純粋な好奇心と研究への情熱がにじみ出ていました。失敗を恐れず、楽しみながら挑戦を続ける姿勢は、まさに基礎研究者の鏡。研究の面白さや奥深さを、あらためて感じさせてくれるインタビューでした。