香川大学医学部分子腫瘍病理学

ご挨拶

2023年10月1付けで、香川大学医学部病理病態・生体防御医学講座分子腫瘍病理学の教授として着任しました門田球一と申します。
私は愛媛県の出身で、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台となった愛媛県尋常中学校を前身とする愛媛県立松山東高校を卒業後、香川医科大学入学しました。2003年に香川医科大学を卒業し、卒後は病理学の道に進み、香川大学医学部附属病院や関連施設で病理診断の研鑽を積んできました。
香川大学大学院医学系研究科の期間には、肺癌組織におけるリンパ管新生に関する臨床病理学的研究やアデノウィルスベクターを用いた遺伝子治療に関する基礎研究を行い、研究活動の基盤を築くことができました。博士号を取得後は、2009年から5年半にわたり、Memorial Sloan Kettering Cancer Center(ニューヨーク市)へ留学し、肺癌を対象とする研究に専念し、国際的な呼吸器病理医のネットワークの中で充実した仕事をすることができました。 2015年に帰国し、再び香川大学医学部附属病院で病理診断業務に従事するとともに、病理医を目指す後進の育成に努め、臨床業務と平行して臨床に還元される病理学的研究を目標としてきました。
2021年4月からは、島根大学医学部に病理学講座器官病理学の教授(同大学医学部附属病院病理診断科 科長・病理部 部長)として赴任し、病理診断医や病理研究医の育成に努めてきましたが、この度、香川大学医学部の病理学講座の一つを担当する機会を頂戴し、母校に戻って参りました。
残念ながら、地方では人口あたりの病理専門医数あるいは病理学研究者の数は十分とは言えず、将来的な病理診断あるいは病理学的研究の体制維持には厳しい現状があり、香川県も例外ではありません。香川大学医学部の分子腫瘍病理学講座は、開学時の香川医科大学時代に「第一病理学」として開設され、後に「腫瘍病理学」の名称を経て、この度「分子腫瘍病理学」と名称変更されました。
教室としては私で4代目の教授となります。開設以来40年以上となる教室の良い伝統を引き継ぎながら、今後も学生や研修医に病理学の魅力を伝え、病理医のリクルートし、県内外で活躍できる病理医や病理研究者を育成したいと考えております。若輩ものではございますが、誠心誠意、努力して参ります。皆様のご指導を賜りますように何卒お願い申し上げます。

略歴Short curriculum vitae

2003年3月
香川医科大学医学部医学科 卒業
2003年4月
香川医科大学医学部附属病院 研修医
2005年4月
香川大学医学部附属病院 医員
2006年4月
香川大学医学部附属病院 助手
2007年4月
香川大学医学部附属病院 助教
2009年3月
香川大学大学院医学系研究科 終了
2009年10月
Memorial Sloan Kettering Cancer Center, NY, USA. Research Fellow
2012年10月
Memorial Sloan Kettering Cancer Center, NY, USA. Research Scholar
2013年10月
Memorial Sloan Kettering Cancer Center, NY, USA. Senior Research Scientist
2015年4月
香川大学医学部附属病院 助教
2018年6月
香川大学医学部附属病院 学内講師
2019年4月
香川大学医学部附属病院 病理診断科 副科長・ 病理部 副部長(香川大学自然生命科学系 講師)
2021年4月
島根大学医学部病理学講座器官病理学 教授 (島根大学医学部附属病院病理診断科 科長・病理部 部長)
2023年10月
香川大学医学部病理病態・生体防御医学講座分子腫瘍病理学 教授