本学の大学院医学系研究科には、医学部医学科を基盤とした博士課程(医学専攻)、医学部看護学科を基盤とした博士前期課程(看護学専攻)と博士後期課程(看護学専攻)、医学部臨床心理学科を基盤とした修士課程(臨床心理学専攻)が設置されています。また、2026年4月には博士後期課程(臨床心理学専攻)が開設されます。
いずれの課程も、医学系研究科各専攻の教育理念及び3つのポリシー(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)に沿って適切に運用されています。
教育理念に共通していることは、各分野の知識や学識を深めることで、グローバルな視点で協調性を有する全人的な医療や看護、心理学を実践できる人材の育成に取り組み、社会福祉の向上や人々の健康に貢献していく崇高な倫理観をもつ指導者になる資質を備えた人材を持続的に輩出していくことであります。
それを実現するために、特にカリキュラムにおいてはきめ細やかなコース設定がなされています。博士課程(医学専攻)は、『基礎臨床研究医・生命科学研究者育成コース』と『高度医療人育成コース』の2コースを設置しています。さらに前者は、高度な研究能力を備えた基礎研究者、基礎研究と臨床の現場を結びつける橋渡し研究者及び臨床研究を計画遂行する臨床研究者を育成することを目的とし、「ライフサイエンス科目群」と「トランスレーショナルリサーチ科目群」を設置しています。後者は、専門性の高い診断・治療技術に裏打ちされた高度なリサーチマインドをもった医療人及びがん診療のプロフェッショナルの育成を目的とし、「臨床医・メディカルスタッフ養成科目群」と「がんプロフェッショナル養成科目群」を設置しています。
博士前期課程(看護学専攻)は、3コース制を導入し、看護学コース3分野(基礎看護学、臨床看護学、地域看護学)、助産学コース1分野(助産学)及び公衆衛生看護学コース1分野(公衆衛生看護学)を設置しています。
博士後期課程(看護学専攻)は、「健康創造看護学」、修士課程(臨床心理学専攻)は、「臨床心理学」を設置しています。
また、2026年4月開設予定の博士後期課程(臨床心理学専攻)では、「臨床心理学専攻」を設置し、研究者モデルと実践家モデルの2つの履修モデルを提供します。
大学院生活は、限られた期間ではありますが、未解決の課題や発展性を有する課題など様々な問題の解決のために指導者の力を借りながら研究計画をたてて、目的を達成するために様々な手法や思考を試みて失敗を経験し、何度も挑戦することで初めて達成感を得られる、人生において貴重な機会であると考えています。この経験は、リサーチマインドの醸成と実現のためのたゆまぬ努力という研究者に必須の要素を自然に身につけることになります。
われわれ医療者の一人一人そして仲間同士の取り組みが国内のみならず世界の人々の健康に貢献できることを目標に頑張りましょう。
香川大学副医学部長(大学院教育及び研究担当) 隈元 謙介