香川県小児保健協会研究会

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第16回香川県小児保健協会研究会開催に際して



小児科学ー日下隆教授(写真).JPG香川県小児保健協会研究会は2008年から発足し、研究会を毎年1回開催しており、今回が16回目の開催となります。
香川県小児保健協会研究会は2008年から発足し、研究会を毎年1回開催しており、今回が16回目の開催となります。香川県の小児医療は、日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児保健協会の日本の主要な各学会と同じ枠組みを作り三者の協力体制の基に活動を行っており、特に香川県小児保健協会は、小児保健全般に関する研究、知識の普及や小児福祉への貢献を目的として、これまで研究会開催を主体とした活動を行ってきました。

香川県の現状では、県の出生数は2021年では6,233人(合計特殊出生率1.51,全国平均は1.3)で、2018年以降7,000人以下に推移しています。そのような状況下で、周産期死亡率、新生児死亡率や乳児死亡率は全国平均以上に良好です。また小児夜間救急体制が整備され比較的充実していると考えられますが、今後の県下の継続的な体制整備が課題です。また県における児童虐待対応件数は増加しており(2021年度は1,037件)、状況が深刻です。小児在宅医療への対応も不十分で、社会全体で解決しなくてはならない課題です。コロナ禍後の子どもの心の問題へも緊急的な対応が必要です。

本研究会はこれまでのテーマとして、「軽度発達障害と食育と肥満予防」、「虐待と小児の医療環境」、「子育てやこどもの躾に関するテーマ」、「こどもが健康に育つには」、「育児力をつけるには」、「香川県を日本一こどもの育てやすい県にするにはどうすればよいか」、「香川県の小児虐待への取り組み」、「かがわの子どもたちの食事を考える」、「子どもとメディア」、「子どもの発達障害」、「医療的ケアを必要とする子どもの育ちを支える地域づくり」、「子どもの成長と発達をめぐる環境の現状と課題」、前年度の第15回では「子どもの病気やケガに対する救急対応や電話相談」をテーマにしました。

第16回香川県小児保健協会研究会(2024年2月4日、日曜日)で「子育ての原点」を中心テーマとし「香川県小児保健統計の動向とその対策」と特別講演・シンポジウムを行います。本研究会の特色は、参加者が看護師や助産師、保健師、栄養士・管理栄養士、薬剤師、歯科医、小児科医といった医療関係者だけでなく、保育士や教育関係者など様々な小児保健に従事する方々が、専門分野の枠を超えて自由に参加できる研究会です。この会に沢山の方々が参加され、自由な立場から小児保健に関しての議論がなされ、実りのある会になることを期待しています。

 
 
香川県小児保健協会会長
日下 隆