学科紹介

医学部看護学科の特徴

1.高度な知識と技術を備えた看護師養成のためのカリキュラム

   入学定員は60人で、入学後、所定の単位修得により「看護師国家試験受験資格」を得ることができます。
   幅広く充実したカリキュラムを基盤として、看護学の基礎を学びます。学年進行とともに、看護の実践能力をさらに深めることを目標とした科目も豊富に準備されています。また、希望者は、看護学の学修を土台としながら養護教諭課程を選択し、教職課程を履修することで、養護教諭一種の免許を得ることができます。

図1 看護学科カリキュラム(令和元年度(2019)入学者用(保健師課程を除く)※

                                                                                                ※令和2年度(2020)から大幅に改訂される可能性があり、
現在、看護学教育 モデル・コア・カリキュラムに          
準拠した改訂カリキュラムを準備中です。                 

   卒業後は、主に看護師として、香川大学医学部附属病院をはじめ、全国の国公私立大学の医学部附属病院や国公立病院、また、県内外の行政保健師、あるいは養護教諭として就職しています。国家試験は、常に全国平均よりも高い合格率を維持しています。
   なお、保健師課程については、社会の変革に対応する実践能力を備えた保健師育成のため、大学院教育への移行を前提に、令和2年度(2020)入学生から、学部での保健師課程選択はなくなります。(下図2)

図2 令和2年度(2020)入学者からの教育課程の変更(予定を含む)

2.恵まれた教育環境

   看護学科では学生自身の主体的な学習への取組や学習意欲の向上をはかるために、グループワークを積極的に取り入れています。また、学内には実践的な看護技術を習得するための看護シミュレータや教育教材が充実しており、社会で活躍できる知識と技術を習得できます。
   総合大学であり、また同じキャンパス内に医学科・臨床心理学科があることから、自らの専門性を高めつつ、他学部・他学科との交流をとおして、協働性や視野の広がりを学ぶことができます。 このような教育環境の中で、いつでも相談できる指導教員制度の導入等、フォロー体制も充実しています。

3.附属病院との連携による充実した実習環境

   看護学教育において重要な位置づけである臨地実習は、同じキャンパス内にある医学部附属病院で多くの実習を行っています。学生一人ひとりの学びを重視して、臨床教授制度の導入や各部門に臨床実習指導者の配置等、看護学科教員と附属病院看護部や医師、公認心理師・臨床心理士らと密接に連携して教育にあたっています。

 

   平成29年度(2017)入試より、志願者の多様な能力や体験及び活動から、主体性・多様性・協働性を多面的・総合的に評価する入試「香川大学 ナーシング・プロフェッショナル育成入試(AO方式)」を実施しています。

看護学科の講座の特色
基礎看護学講座

健康科学

   主に「人体の構造と機能」「病気の成り立ちと症状、および治療法」「身体の診察法」に関する講義・演習や、全学共通科目の「大学入門ゼミ」「情報リテラシー」も担当しています。
   研究では、峠教授は神経内科学が専門分野で、新しい運動・認知機能訓練法の開発や、Brain-machine interfaceのための脳波を用いた意思伝達法の開発などを研究しています。筒井准教授は消化器内科学が専門分野で、胆道感染症や膵臓癌治療に関する基礎研究や、経胃瘻栄養患者における誤嚥性肺炎の原因に関する研究を行っています。

 

環境保健科学

   主に学部学生の1、2年生の講義を担当する講座で、生化学、分子生物学、微生物学等の専門基礎科目を担当しています。教員は1名だけの講座ですが、基礎医学を専門とする医師教員です。高校の生物、化学の復習から始め、2年後期にはウイルス学の基礎知識まで学べるようにします。

 

基礎看護学

   基礎看護学は、看護系授業科目の中でも、最初に学習する科目です。「看護とは何か」を主題に看護の対象理解、看護活動の場、看護職者としてのものの見方、考え方について学習すると共に、看護技術の習得に力を注いでいます。

臨床看護学講座

急性期成人看護学

   急性期成人看護学では、急性期や重症な状態、周術期にある対象者、さらに回復期にある対象者の特徴を理解し、健康危機からの回復促進を目指した看護実践を行うための基本となる知識・技術・態度について学びます。特に、対象者に必要な看護については根拠を持って提供できるような講義・シミュレーション教材などを活用して演習を行い、それらを基盤にして臨地実習で看護実践能力を育成しています。

 

慢性期成人看護学

   慢性期成人看護学は、社会や家庭で役割を担う成人の健康を援助します。慢性期とはがん、難病、生活習慣病、慢性疾患などによって治療や生活の制限が長期にわたる期間をいいます。このような慢性的経過を辿る方々の生活の再構築や社会生活への再適応を支援する学習を行います。
   臨地実習前には、市民模擬患者さんの参加による看護実践能力試験(N-OSCE)を受け、看護者としての課題を明らかにして、実習に臨みます。
   また、看護クリティカルシンキングやスピリチュアルケア論など、思考力強化や人間の存在に基づくケア方法を担当しています。

 

終末期成人看護学

   終末期にある人がその人らしく生きられるよう、その人とその家族を支援するための看護実践能力について学びます。具体的には、疼痛等症状をマネジメントするための知識や技術、環境を整え安楽を提供できる技術、看取る家族への援助、生きることと死ぬことへの意味とその過程への理解、倫理的課題への理解、意思決定支援などです。このような能力を育成するために、事例を用いて患者家族が何に困っているのか、どのようなことが大切だと思っているのか見出しながらアセスメントを行い、患者家族がもつ力を支える看護ケアを学習しています。

 

老年看護学

   老年看護学では、高齢者も発達する存在であると考えています。高齢者が発達しつつ、社会の中で活き活きと生きることができる看護を学びます。講義・演習では、高齢者を取り巻く社会の状況、老化と老化が生活に及ぼす影響、高齢者を肯定的な視点からも捉えた理論や看護の方法を学びます。実習では、施設の認知症高齢者や入院している高齢者に看護を行い、自己理解しながら、高齢者との信頼関係を築き看護実践能力を高めています。

 

小児看護学

   「アダルトな小児看護を目指して」・・・小児看護では、病気に罹患した小児だけでなく、さまざまな健康状態および成長発達段階にある小児とその家族を対象にし、健やかな発達への支援をしていきます。そのために、子どもの成長発達を理解し、子どもの最善の利益を守る事を基本姿勢として必要な知識・方法・態度について教育します。まずは、私たちが豊かな感情をもち理性的な判断ができ、自立的に行動し、自身の行動に責任の持てる「おとな」であることを大切にしています。

 

母性看護学

   母性看護学では女性とその子ども・家族を対象に、女性の生涯にわたるリプリダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)の維持・増進に向けて、その基盤となる理論や知識を学びます。また、母性の次世代育成機能が健全に発揮できるよう、さらに母性の健康障害の予防と回復をめざし、女性および家族の生活を整えるための看護実践について学びます。そしてこれらに関連する教育や研究をとおして地域社会へ貢献していきます。

地域・精神看護学講座

地域看護学

  地域看護学では、個人から集団および地域までの全体を捉え、あらゆる健康課題に対応できる教育をめざしています。また、公衆衛生看護学の実習として保健所、市町での実習に加えて産業保健実習もあり、全てのライフワークを通じた健康づくりを学びます。さらに、香川県の特徴を踏まえたフィールドワーク型科目(ヘルスプロモーション演習や離島保健・看護論等)で、地域で住民と関わりながら、健康施策について考えます。

 

在宅看護学

  療養者がその生活の場で必要としている医療・看護・介護を包括して提供していくことを通して、その先にあるQOLの向上を意識しながら看護実践を行うことができる看護職をめざします。

 

精神看護学

  精神看護学は、全ての人の精神健康を対象としており、その中には精神に健康障害を持つ人も、現在を健康に生きている人も含まれます。精神疾患とともにある人生をより良く過ごせるように、精神の健康を保持増進できるように、対象の主体的な人生を支援する方法を、講義や演習を通して学びます。臨地実習では、精神疾患により入院を必要とする患者への看護や地域移行支援、そして地域で暮らす精神障害者の生活支援について、精神科病棟や地域精神保健福祉施設などで実践的に学びます。
  全過程を通して、精神を持つ人間の、より良い生命の活かし方を、看護者である一人の人間として自己の内面を見つめ、考える機会としていきたいと思います。