トップページ診療科紹介脳神経外科診療内容高次脳機能障害

脳神経外科

高次脳機能障害

高次脳機能が障害されると、
● 約束が守れない、しまったものの場所が分からない(記憶障害)
● 肝心なことを忘れる、同じ作業が長く続かない(注意障害)
● 仕事の段取りが出来ない(遂行機能障害)
● 些細なことでキレる(感情コントロール障害)
などの症状が出現します。頭部外傷、虚血性・出血性脳血管障害、蘇生後脳症、脳炎、一酸化炭素中毒など脳に影響を及ぼす種々の疾患が高次脳機能障害の原因となります。



高次脳機能障害の問題点として、
● 一般の人に高次脳機能障害という脳の障害があることが十分に知られておらず、その言動からトラブルの原因となることが多くなります(今まで知られてこなかった障害)。
● 外見からは障害があることが分かりにくく、その言動から誤解を招くことが多くなります(見えない障害)。
● 患者さまに障害の認識が無い方が多く、病院受診を嫌がり、診断や治療が遅れることがあります(自覚しない障害)。
● 入院生活や家庭生活などで自身の身の回りのことをすることはそれほど問題がなくても、学校・職場・外出先などの社会的な場面で問題が明らかとなることがあります(社会にでて初めて気づかれる障害)。



高次脳機能外来診療部は、平成19年2月に香川大学医学部附属病院に開設された特殊診療施設(部)であり、同年4月から本格的な外来診療を開始しています。

高次脳機能外来診療部では、MRIなどの画像検査で原因となった脳の異常を発見し、リハビリテーション部にて知能検査、記憶検査、注意機能検査、遂行機能検査などを行い、高次脳機能の中でどの機能がどの程度障害されているかを詳しく調べます。
また当院ではMRIなどの形態画像検査で原因となった脳の異常が明らかでない症例では、陽電子断層撮影装置(PET)を用いて異常の検出を試みています。

診断が確定された患者さんには精神保健福祉手帳など種々の福祉制度や年金制度(国民年金障害基礎年金や障害厚生年金)の利用のための書類作成を行っています。またかがわ総合リハビリテーションセンター病院でのリハビリ・訓練などの紹介なども行っています。

当院の高次脳機能障害外来診療部を訪れる患者さんの数は年々増加しています(図1)。 平成27年度からはかがわ総合リハビリテーションセンターでも高次脳機能障害外来が開始されたため、香川県では当院と香川総合リハビリテーションセンターの2か所にて診療を行っています 。