Nei-Kumar book 日本語版 「分子進化と分子系統学」

「分子進化と分子系統学」 根井正利/S. クマー共著 根井正利監訳・改訂 大田竜也・竹崎直子共訳

Cover image 培風館 2006年7月刊行 定価(本体7000円+税)
ISBN4-563-07801-8 (初版) ISBN978-4-563-07801-0 (初版第2刷、第3刷)

本書は“Molecular Evolution and Phylogenetics “ (Masatoshi Nei and Sudhir Kumar 2000, Oxford University Press)の日本語版です。英語版の出版から5年が過ぎていますが、根井先生による改訂により、最新改訂版となっています。アミノ酸配列や塩基配列間の距離(置換数)の推定、同義・非同義置換数の推定、これを用いた自然選択の検定、系統樹作成法、分子時計の検定と分岐時間の推定、祖先配列の推定、多型遺伝子データを用いた集団の遺伝的変異の解析、これを用いた自然選択の検定、集団間の遺伝距離の推定、集団系統樹の作成など分子進化、分子系統学の分野で用いられる解析方法について実際に役立つものを、難解な数学や統計学にたちいらずに解説しています。現在、塩基配列やアミノ酸配列データは広く扱われており、分子進化学の分野の研究者だけでなく、分子生物学的手法を用いてデータを得る様々な分野の方々に、大学院生の教科書や研究者のreferenceとして用いて頂けます。



改訂によって追加されたのは主に以下のような箇所です。

第5章 系統樹
5.4 系統樹作成法に関する論争の「歴史的要因または哲学的思想に基づいた論争」の節
第8章 系統樹の推定:最尤法 
8.6 ベイズ法による系統樹作成
第10章 分子時計と線形化系統樹
10.5 分子時計が成り立たない場合の進化時間の推定
第11章 祖先タンパクのアミノ酸配列と自然選択
11.5 各コドン・サイトにおける自然選択


  1. 計算例ソフトウェア
    本書の計算例に用いられたデータ、ソフトウェアは、2006年7月発行の初版ではhttp://mep.bio.psu.edu/から入手可能であると記載されていますが、現在は http://lifesciences.asu.edu/mep/ に移動しています。
    ソフトウェアは http://www.bio.psu.edu/People/Faculty/Nei/Lab/software.htmからも入手できます。
    MEGA (Molecular Evolutionary Genetics Analysis)はhttp://www.megasoftware.net/から入手できます。http://evolgen.biol.metro-u.ac.jp/MEGA に田村浩一郎さんの作成されたチュートリアルなどのページがあります。
  2. 目次
  3. 訂正箇所


書評


  1. 根井研究室 web page
  2. MEGA web page