心臓血管外科|香川大学医学部附属病院

ご挨拶

教授からのメッセージ

教授 堀井泰浩
香川大学医学部 心臓血管外科
教授 堀井泰浩

香川大学医学部 心臓血管外科のホームページへようこそ
心臓血管外科では、成人に対する心臓および大血管の手術治療を行っています。
心臓手術の対象は、虚血性心疾患、弁膜症で、大血管は大動脈瘤です。われわれの教室では重症心不全に対しても積極的に取り組んでいます。

1.虚血性心疾患

虚血性心疾患に対して冠動脈バイパス術、心筋梗塞後の虚血性僧帽弁閉鎖不全症や虚血性心筋症に対して僧帽弁の複雑形成術や左室形成術です。
冠動脈バイパス術では、須磨久善先生が世界に先駆けて使用した胃大網動脈GEAは、須磨先生ともに世界でも有数の経験数で、両側内胸動脈と併せて動脈グラフトを複数使用し、連続吻合を多用し、現在ではほぼ全症例をOff Pumpで完遂して、安全な手術でありながら、長期成績の改善を目指しています。
虚血性僧帽弁閉鎖不全症や虚血性心筋症は、予後が極めて不良ですが、僧帽弁治療だけにとどまらず、左室形態の回復を目指して複雑な形成方法を改良し、またDor手術やわれわれが開発したSAVE手術を組み合わせることにより、良好な左室機能回復を可能にしています。

2.弁膜疾患

僧帽弁閉鎖不全症に対しては、ほぼ全例で形成術が可能で、単独手術では、8cm前後の小切開での低侵襲手術を実施しています。
大動脈弁閉鎖不全症に対しても積極的に、形成術や自己弁温存の大動脈基部置換術David手術に取り組んでいます。
高齢患者の増加に伴い、同時に三尖弁や大動脈弁および心房細動などとともに複合手術の比率が増加していますが、いずれも比較的安全に手術可能です。
高齢になると合併疾患も増え、手術危険性が高くなりますが、全身状態によるとはいえ80歳代後半から90歳台でも手術は可能で、最近では101歳と国内最高齢の心臓手術を成功させています。

3.大血管

大動脈瘤は高齢化に伴い、胸部レントゲン写真やCT検査で偶発的に発見されることが増えています。大動脈瘤を切除して人工血管置換することや、ステントグラフトを使用しての血管内治療を実施しています。

4.心筋症をはじめとした重症心不全

遅延造影MRI検査やPET検査などで左室壁性状を詳細に検討し、左室形成術などの適応を決定しており、虚血性心筋症のみならず、特発性拡張型心筋症に対しても、バチスタ手術やSAVE手術を適切に選択し、肥大型心筋症に対する心筋切除術なども積極的に取り組んでいます。循環器内科と協同で両室同期療法や植え込み型除細動器CRT-D治療を実施しています。また、植え込み型人工心臓治療の開始に向けて準備をしています。