2024/09/23
薬理学の先生にイチオシの研究について聞いてみた!
こんにちは! 医学部学生広報です。
今までは医学生にインタビューを行ってきました。しかし、医学部の先生がどのような研究をされているのか、また留学を始めとして今までどのような事を経験されてきたのか気になる方も多いのではないでしょうか?!
初回は香川大学医学部薬理学助教の北田研人先生にインタビューをご依頼し、先生の行われている研究について伺ってきました。それでは、北田先生よろしくお願い致します!
プロフィール
北田研人
所属:医学部薬理学助教
出身:大阪
研究分野:塩と水
好きなもの:ビール
先生が取り組まれている研究について、お聞かせください。
北田先生(以下敬称略)
「私たちは,大きく言うと『水』の研究をしています。水がないと人間は生きていけません。
地球規模で考えると人類は水不足に陥っており、地球温暖化のせいで熱中症のリスクも増えています。また,日本では長生きできるようになり超高齢化社会になっています。これも実は脱水なのです。赤ちゃんの皮膚がぴちぴちであるのに対して,高齢者の皮膚は乾燥していますよね。つまり人間の身体は歳と共に水が抜けてしまいます。
私たちは、この水分の減少を抑え、加齢による影響や熱中症のリスクを軽減するための研究を行なっています。」
研究のきっかけを教えてください。
北田
「もともとは血圧に興味があり、今とは別の分野の研究をしていました。
しかし、血圧と体の水というものはとても関係が深く,たまたま血圧の研究の一環として水の研究をするようになりました。せっかく研究をするのであれば,多くの人の役に立つ研究をしようと,また今の地球規模の水不足を解消しようと思って現在の研究につながりました。」
今後、どのような発見を得たいと考えていらっしゃいますか。
北田
「夢は大きくということで,身体の水分保持力を高めることができる技術を開発です。
これが実現すれば、アンチエイジングの効果が期待できるだけでなく、災害時や水不足の際の生存率向上、地球規模の水不足解消にも繋がると考えています。」
現在進められている研究で、これまでどのような新たな発見はありましたか。
北田
「5年ほど前に海外に留学している時、医学部の教科書に書かれている『ヒトの水分保持機構』についてどうも間違っているという発見をしました。
例えばですが、塩辛いものを食べると喉が渇いて水を飲みます。これについて喉が渇くというのは正しいです。しょっぱいものを食べている際、舌が塩味を感じている時は、喉が渇いたと脳が判断して水を飲むのですが、24時間ずっと測定していると水を飲む量というのは実は増えないことが分かりました。」
いかがでしたか?
北田先生の研究は健康維持から地球規模の水不足問題まで、多岐にわたる課題に向けた新たな可能性を感じますね。
次回は、北田先生の海外留学でのエピソードや留学のきっかけを伺います。どうぞお楽しみに!





