2024.11.29
岡野先生の講義 ロボット手術の可能性
こんにちは!医学部学生広報部です! 本日は、香川大学医学部附属病院でロボット手術を積極的に取り組んでおられる岡野先生に、ロボット手術についてお話を伺ってきました。
名前:岡野圭一
所属:香川大学医学部 消化器外科学 教授
出身:愛媛県
高校:松山東高等学校
大学:香川医科大学(現 香川大学医学部)
ロボット手術の現状について教えてください
岡野
「近年、ロボット手術は医学の世界で急速に広がりを見せています。
元々は米国インテュイティブサージカル社の『Da Vinci』が有名ですが、最近では日本でも『hinotori』という国産ロボットが開発されています。技術の向上とともに、泌尿器科の前立腺手術に限らず、肺、婦人科領域、消化器領域など様々な分野で導入が進んでいます。」
消化器外科におけるロボット手術のメリットは何ですか
岡野
「僕の専門である消化器外科領域では、例えば直腸の狭い部分での手術において、ロボットアームは細かい作業が可能となります。また、映像も数十倍に拡大でき、立体的に捉えることができるため、非常に高精度な手術が可能です。ロボットアームは多関節構造で、人間の手よりも細密な操作ができるという特徴があります。」
ロボット手術に欠点はありますか
岡野
「一つの欠点として、触覚がないことが挙げられます。最初はこの点に手術の不安を感じる声もありましたが、視覚などの他の感覚で十分に補うことが可能です。触覚がないという弱点を上回るメリットがあると思っています。」
患者さんにとってのメリットはどういった点ですか
岡野
「ロボット手術は、患者さんへの負担が非常に少ないです。
具体的には痛みや出血量が少ないため、回復が早いことがあります。このようなメリットからも、ロボット手術は広がりを見せています。」
消化器外科でのロボット手術の進展について教えてください
岡野
「我々消化器外科では、結腸、胃、食道とシンプルな手術から複雑な手術へと適応が広がってきています。ここ数年では、複雑とされる膵臓の手術にもロボット手術が導入され、私たちも2年前から膵臓の体尾部切除をロボット手術で行っています。すでに30名ほどの患者さんに手術を行い、高齢の方でも術後の回復が非常に早いです。」
印象に残っている症例があれば教えてください
岡野
「一例として、高齢の患者さんに膵臓の手術を行いましたが翌日にはスタスタと歩かれ、10日目には退院されました。従来なら2週間以上入院していた患者さんが、短期で回復する例が増えています。さらに、膵臓の手術の合併症で1番懸念されていた膵液漏が劇的に少なくなっているのも大きな成果です。」
今後の展望について教えてください
岡野
「最近では、複雑で合併症が多いとされる膵頭十二指腸切除もロボットで行えるようになっています。驚くべきことに、従来2割ほど発生した膵液漏が現段階で0に抑えられています。これがロボットによるものかは明確ではありませんが、確実に患者さんの負担を減らし精密な手術が可能となっています。
若い世代の人たちにぜひこの領域を選んでいただければ、本当に凄く新しい未来が広がっているのかなと思います。ぜひ頑張ってください。」
いかがでしたか?
ロボット手術が外科医療の未来を大きく変える可能性を感じられましたね。今回で岡野先生へのインタビューは終わりとなります。岡野先生、ありがとうございました!