くも膜下出血後の遅発性脳血管攣縮はその後の予後に大きく影響しかねない、非常に注意すべき併発症の一つです。当教室では、この脳血管攣縮に発現予防に関する基礎的研究や血管内治療に関する臨床的研究を行っています。
- くも膜下出血後の増殖性血管症の成因と予防に関する研究
- くも膜下出血後の遅発性脳虚血に対する抗サイトカイン剤の予防効果
- くも膜下出血後の水分出納、低ナトリウム血症の検討
くも膜下出血における脳血管攣縮の早期予測因子としてのHistidine-rich glycoprotein(HRG)
くも膜下出血後の脳血管攣縮を早期に予測するバイオマーカーとしてHRGが有効である可能性について報告しております。髄液中のHRG、interleukin(IL)-6やfibrinopeptide A (FpA)、8-hydroxy-2’-deoxyguanosine (8OHdG)なども同時に測定しました。髄液中のHRG濃度の変化は、非痙攣群と痙攣群で有意に異なってました。また、HRGとIL-6、FpA、8OHdGとの相互作用が、脳血管攣縮の病態を形成している可能性にも言及しました。
Acta Med. Okayama 73(1): 29–39, 2019