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脳腫瘍

主に癌抑制遺伝子、薬剤耐性遺伝子の発現に関する研究を行ってきました。最近では当大学薬理学教室と協力して、神経膠芽腫におけるプロレニン受容体((P)RR)の役割について、腫瘍幹細胞を用いて検討しています。また、香川大学の特色である希少糖を用いた抗腫瘍効果についても検討しています。

脳腫瘍と(P)RR

(プロ)レニン受容体((Pro) Renin Receptor; (P)RR)は、2002年に腎臓分離され、Wnt receptor complexを介した中枢神経系の形成に重要な役割を果たしているとされています。過去の手術検体でのGliomaの悪性度と(P)RRの発現量を調べると、悪性度が上がるにつれて発現量も増加していることがわかりました。また、(P)RRのknockdownにした神経膠芽腫細胞株では、Wnt2、activated β catenin、cyclin D1などのWnt/β-catenin signalingの発現量が低下し、細胞増殖能も低下することがわかりました。(P)RRはWnt/β sinaling pathwayを介して細胞のがん化および細胞増殖に重要な役割を果たしていることがわかりました。
J Neurosurg 127: 819–828, 2017

現在、(P)RRの臨床応用も視野に入れた研究を、日々進めております。具体的には、(P)RR抗体に対する中和抗体を作成し、これがglioblastomaの増殖抑制効果を持つか、あるいはglioma stem cellに対するstemnessへどのような影響を持つかを検討しております。

脳腫瘍と希少糖

希少糖とはその存在量が自然界において非常に少ない単糖のことです。生命進化論的な思想で考えますと、希少糖は「glucose摂取が喫緊の課題であった飢餓時代において、生命維持・種の存続に不必要なもの故、存在量が少なくなり現在に至る」とも考えられてきた経緯があり、また、1g数万円という高価なものであったため、なかなか研究が進んでおりませんでした。1991年、当時の香川大学農学部教授であった何森健先生(現・香川大学国際希少糖研究教育機構 研究顧問)が、農学部食堂裏の土壌の中から、果糖を希少糖(D-プシコース(=D-アルロース))に変換させる酵素を持つ微生物を発見したことから、希少糖研究が急激に進み始めます。2002年には同氏は様々な単糖の効率的な生産設計図(=後に”Izumoring”と命名)を発表し、さまざまな糖・希少糖が大量生産可能となり、その結果さまざまな方面への研究拡大、事業・商業化が図られており、今後その更なる発展が期待されます。
希少糖は現在約50種類程が確認されております。すべての希少糖の生理活性が検討されたわけではありませんが、中でもD-alloseに関しては近年抗酸化作用や抗腫瘍効果が報告されております。「糖が腫瘍を抑制する」という、百聞にも信じがたい事実が報告されており、まさにパラダイム崩壊といってよいでしょう。当教室では香川大学薬理学教室と協力して、脳腫瘍の中でも悪性度の高いglioblastomaを用いて、脳腫瘍分野における希少糖の抗腫瘍効果およびメカニズムの解明、また将来的な臨床応用の可能性を模索し、日々研究を進めております。

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