専門医研修
各研修施設において2年間の卒後臨床研修が終了すると、いよいよ各々が選択した専門科での研修「専門医研修」が始まり、その分野での専門医を目指すこととなります。
香川大学医学部附属病院では、平成28年4月に医師キャリア支援センターが新設されました。
新専門医制度に則した魅力ある研修プログラムで、各専門医取得に向けて最大限にサポートします。
専門医研修の専門分野として「脳神経外科」を選択すれば、「脳神経外科 専攻医」となり、「脳神経外科 専門医」を目指して4年間の研修が始まります。通常、ここで正式に脳神経外科医局に入局することとなります。附属病院脳神経外科および救命救急センター、さらに関連病院の脳神経外科において、個々の専攻医に応じた最適な環境の中で数多くの症例を経験することで、「全身的管理」と「脳神経外科疾患の的確な診断・検査」、さらに「基本的脳神経外科手術」を修得します。さらに、これと並行して「基礎的・臨床的研究、学会発表、論文作成」も行います。
これまでに、香川大学脳神経外科において日本脳神経外科学会専門医試験を受験した医師はすべて合格し、現在脳神経外科専門医として第一線で活躍しています。
卒後臨床研修~専門研修で習得する手技等
処置の内容 | |
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一般診療・検査 | 神経学的診察法 一般的問診、視診、触診、聴診、インフォームド・コンセント 画像診断・検査・読影 頭部XP、CT、MRI、MRA、MRV、MRS、PET、SPECT、脳波 脳血管撮影(DSA)、頚部超音波検査、経頭蓋超音波検査 |
病棟・救急処置 | バイタルサイン:呼吸状態、血圧、脈拍等の確認 採血、血液ガス分析、心電図、胸部XP 末梢輸液ルート確保、中心静脈輸液ルート確保、心臓マッサージ 気道確保、気管内挿管、気管切開、人工呼吸器設定・管理 腰椎穿刺、脳室・脳槽・腰椎ドレーン管理、術後創傷処置 |
手術 | 穿頭術 脳室ドレナージ術、慢性硬膜下血腫に対する穿頭洗浄術 シャント手術 脳室腹腔シャント術、腰椎腹腔シャント術 開頭術 開頭血腫除去術(急性硬膜外・下血腫)、内・外減圧術、頭蓋形成術 顕微鏡手術 開頭血腫除去術(脳内血腫)、浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術 脳動脈瘤クリッピング術、頭蓋内腫瘍摘出術、その他の手術 |
香川大学脳神経外科 専門研修プログラム
年次 | 修得すべき手技や手術経験目標数等 |
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卒後 3~4年目 |
脳神経外科 入局 全身的管理(救急処置、急性期および周術期)、的確な神経学的評価 |
慢性硬膜下血腫・穿頭ドレナージ( 20 )、脳血管撮影( 50 ) 脳室腹腔シャント術、腰椎腹腔シャント術、急性硬膜外・下血腫などの頭部外傷の手術( 20 ) テント上開頭、閉頭(基本的なもの)( 20 ) |
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卒後 4~5年目 |
全身的管理(救急処置、急性期および周術期)、的確な神経学的評価 外来診察、インフォームド・コンセント 学会発表、論文作成 希望者: Subspecialty のトレーニングを開始 大学院入学、基礎的研究を開始 |
急性硬膜外・下血腫などの頭部外傷の手術( 5 )、後頭下開頭(基本的なもの)( 10 ) 、テント上開頭(難しいもの)( 20 ) マイクロサージェリー(シルヴィウス裂開放)( 10 ) マイクロサージェリー(脳内血腫)( 5 ) |
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卒後 6年目~ |
脳神経外科専門医試験受験、合格 チーフレジデントとしての病棟管理 脳循環代謝・脳腫瘍・脳血管障害などの基礎的実験とその研究成果を論文作成し学位取得、それに関連する海外・国内留学 血管内手術・神経内視鏡・脊椎脊髄外科などの専門領域手術習得のため国内留学 |
マイクロサージェリー(脳腫瘍・血管吻合の基本的手技)( 10 ) |
☆脳神経外科専門医取得に必要な症例数や手技等は、十分に経験することができます。
研修/関連/出張先施設
香川県内施設
香川県外施設
手術・手技 練習用機器
手術や手技は、その方法が分かっていても、練習・訓練をしなければ上達しません。当施設には、練習するための高性能の機器が備わっており、十分な練習環境を提供しています。上達するかどうかは、あなたのやる気次第です。
練習用手術顕微鏡-1
直径1-2mm程度の微小血管モデルを用いて、切断や縫合の練習をします。そのほか、ガーゼをほぐしたり、米粒に文字を書いたりして、練習することができます。
いろんなことを顕微鏡下に行うことで、あなたの手を「顕微鏡手術の手」に進化させます。
練習用顕微鏡-2
ラットの頚動脈を利用して、血管吻合の練習を行います。実際に血流があり、切断すると出血するため、実際の手術とほぼ同じ条件で練習ができます。
決められた数を行い、指導医が認めれば、実際の手術を行うことができます。
Cadaver dissection
解剖学教室のご協力で、Cadaverを利用して手術顕微鏡による解剖を行うことができます。
実際の脳の解剖をしっかりと理解することで、手術に対する理解が深まります。
スキルスラボラトリー
手術や手技を、シミュレーターや模型を用いて研修医が自由に練習できます。
設置してある器材はいずれも高性能・高精度のものであり、実際の手術や手技とほぼ同じ条件で練習することができます。
スキルスラボラトリー
気管内挿管、心電図、超音波検査、中心静脈ルート確保、胸腔鏡や腹腔鏡、小児の診察・処置、分娩、血管撮影・・・・その他、様々なシミュレーターが設置してあります。
十分な訓練を行うことで、患者さまに安全な手術、処置を行うことができます。
脳血管撮影・血管内手術シミュレーター(スキルスラボラトリー内)
実際の血管撮影装置とそっくりに動作します。カテーテルやガイドワイヤーの操作だけでなく、脳動脈瘤のコイル塞栓術、頚動脈狭窄症に対するステント留置術などを行うこともできます。
決められた数を練習し、指導医の許可が下りれば、実際の検査を行うことができます。
実際の研修医は、どのような生活を送っているのでしょうか?
ちょっとのぞいてみましょう。
脳神経外科 専門医取得後
① 専門医取得後、「さらなる専門領域(subspecialty)の専門医・認定医取得」を目指します。
② 基礎的実験や臨床実験により、「学位(博士号)」を取得します。
③ 基礎的実験をさらに発展させるため、「海外・国内留学」を推奨します。
④ 臨床的技量・知識を習得するため、「国内留学」を推奨します。
医員・研修医募集
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【連絡先】香川大学医学部 脳神経外科
〒761-0793 香川県木田郡三木町池戸1750-1
TEL:087-891-2207
FAX:087-891-2208
E-mail:neuron-m@kagawa-u.ac.jp
担当:医局長