室長あいさつ
ごあいさつ
私は1990年に慶應大学の医学部を卒業し、形成外科医として働き始めました。メスを握って今年(2023年)で33年になります。研修医のころから胸部の形成手術に興味を持って取り組んできました。
このページをご覧になっている方は 胸の形成手術というと漏斗胸の手術がすぐ思い浮かべられると思いますが、それ以外にも、肺がんを切除したあとの肋骨の欠損を再建したり、乳がんで乳房を切除された患者さんのために乳房の再建を行ったりと、いろいろな種類の手術があります。
私は33年の外科医としての生活のうち、研修時代の3~4年を除いてほとんどの時期を、治療の難しい症例が集中する、大学病院という場所で過ごして来ました(「履歴はこちら」)。ゆえに難易度の高い胸部の形成手術を数多く治療してきた点においては、本邦でもトップクラスであるという自信があります。
胸のかたちに関する形成手術は過去33年間で720例以上経験してきました。なかでも漏斗胸の手術は私のライフワークであり、人生をかけてこの病気の治療に取り組んで行こうという覚悟をもっています。
私のモットーは、一人一人の患者さんに対して丁寧に治療を行うことです。患者さんの胸郭は、かたちも硬さも千差万別です。おのおのの患者さんに合った治療を必死に考え、ベストの結果を得る「テイラーメイドの治療」の大切さを私は訴え続けています。この考えが認められたためか、日本全国の漏斗胸治療の専門家が集まる「漏斗胸手術手技研究会」が2017年11月24日に高松で開催され、私が会長をつとめさせていただきました(学会の模様)
漏斗胸は、先天性の変形疾患としてはかなり頻度の高いものです。にもかかわらず、本疾患の診断と治療に関する本当のすがたは、ほとんど患者さんに伝わっておりません。漏斗胸というものはどういうものか、どこに治療の難しさがあるのかを理解していなければ、良い医師を見つけることはできません。「漏斗胸の治療の本当のすがたを、みなさんに伝えたい」という想いから、このホームページを作りました。
今の日本における漏斗胸の治療の良い点も、悪い点も良く判るようにこのホームページはできています。時間をかけて、丁寧に作ったつもりですが、わかりにくいところがあるかもしれません。もしも疑問や問題がございましたら、「メール相談室」からご質問をしていただければ幸いでございます。
国立大学法人香川大学 形成外科学教授
永竿智久
略歴
永竿智久(ながさお ともひさ)
1965年 | 山口県下関市出身 |
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1984年 | 開成学園高等学校卒業 |
1990年 | 慶應義塾大学医学部卒業 |
1996年 | 慶應義塾大学助手 |
2004年 | 慶應義塾大学講師 |
2012年 | 慶應義塾大学准教授 |
2015年 | 香川大学准教授へ転任 |
2017年 | 香川大学形成外科学講座 主任教授 |
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