ご家族の方へ

香川大学医学部学生の保護者・ご家族の皆様にご挨拶申し上げます。

香川大学医学部は、医学科・看護学科・臨床心理学科を擁します。昭和53年開学以来約40年の歴史の中で輩出した卒業生は、香川県を始め全国で医療や研究の第一線で活躍しています。人間性豊かで道徳観を備え、深い洞察力で医療・医学の発展に資することのできる人材を育成することを目標に掲げて取り組んでおります。

保護者・ご家族の皆様におかれましては、医学・看護学・臨床心理学の道を進まれたお子さまの成長された姿に期待されていることと推察いたします。しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大のため、本来の大学生活を送れないことや教育への不安も感じておられると思います。香川大学として、特に附属病院をキャンパス内に持つ医学部では、学生・教職員共に感染対策には格別の配慮を払ってきました。地域医療の要としての附属病院の機能を鑑みると当然のことであります。しかし、そのために学生の病院での実習は制限せざるを得ない状況にありました。一方で、学生にとってTeaching Hospitalである附属病院は患者さんから直接学ぶ場です。今後は、これまで以上に学生の学ぶ権利を尊重すべきことも重要と考えます。感染予防教育やワクチン接種などの対策を十分に講じた上で、できるだけ実習で学べるよう努力していきます。

コロナ禍の中で、遠隔映像授業が中心となり対面授業は大きく制限されています。本来、大学の講義は、対面のライブでしか得られないことが多くあります。各分野の専門家であるだけでなく、講義の中で人生観や経験談などを随所に織り交ぜて講義が行われることで、どこにもない独自の講義が展開されます。ここに講義の真髄があると考えられます。これに惹かれる学生が多くいることでしょう。いま、これが充分にできない状況にもどかしさを感じますが、できることから取り組んでいきたいと思います。コロナ禍での大学のありようは、従前のそれとは考え方を一変させなければならないと思われます。これを私たちに課せられた、解決すべき課題と捉え、学生・教職員が一丸となって乗り切っていく覚悟です。その後に開けてくる景色がどういうものか今から楽しみにしています。

学生の皆様は、行動制限(アルバイトやサークル活動など)のなかで学生生活を送っているでしょう。香川大学では、さまざまな経済的支援策(大学独自の支援制度、奨学金など)があります。まずは、学務課にご相談ください。併せて、本学では、充実した学生生活を送ることができるよう、香川大学医学部後援会を組織し、学生行事・課外教育活動・教育奨励などに対してさまざまな支援を行っています。これは保護者・ご家族の皆様の篤志とご寄付により成り立っております。こうした趣旨をご理解・ご賛同いただき、医学部後援会にご加入下さいますよう、よろしくお願い致します。

                                                                                 香川大学医学部長   三木 崇範