トップページ診療科紹介臨床遺伝ゲノム診療科香大がんリスク遺伝子パネル35

臨床遺伝ゲノム診療科

「香大がんリスク遺伝子パネル35」について

香川大学医学部附属病院では、令和7年3月から新たに「香大がんリスク遺伝子パネル35」を開始しました。
乳がん、大腸がん、すい臓がん、卵巣がん、胆管がん、前立腺がんなど、様々ながんの10~20%程度は、生まれながらそのがんにかかりやすくなる遺伝子に何らかの異常があります。
自分がその体質かどうか調べることで、がんになる前であれば早期発見早期診断に繋がります。本検査は、最新の遺伝子解析機器を用いて、様々ながんになるリスクが知られている35個の遺伝子を一度に調べますので、ご自身のがん予防に役立てられることができます。

検査の流れ

医師、認定遺伝カウンセラーによる検査内容についての説明後、同意書にサインをいただき、採血を行います。
血液は約8ml採取します。
受付から検査終了までの所要時間は1時間程度です。
検査結果は、検査を受けてから約3~4週間後に、郵送によりお知らせします。
受診(遺伝カウンセリング外来)が必要な場合は併せてお知らせします。

検査費用

検査にかかる費用は15万円(税込)です。(保険適用外)
なお、2名以上で申し込みされた場合は、1名につき、13万5千円(税込)で検査をお受けいただけます。
検査費用は、採血当日にお支払いいただきます。


検査の申し込み方法

予約制で、平日の13時~16時に検査を行っております。
お電話にて申し込みください。
※申込時、お名前、性別、本院の受診歴、検査希望日(第1~第3希望)、電話番号、 診療申込書の郵送先住所をお知らせください。
申込受付後、診療申込書を郵送しますので、必要事項をご記入のうえ、本院にご返送ください。

予約受付電話番号:087-891-2055
予約受付時間:平日9時~17時
事務担当:医事課診療報酬係


遺伝子検査に関するお問い合わせ先

臨床遺伝ゲノム診療科
電話番号 087-891-5669
E-mail:kagawa.multigene*gmail.com
※メール送信の際は*を@に変換してください。

ポスターはこちら

もっと詳しく・・・Q&A

Q:35個の遺伝子とはどんな遺伝子なのでしょうか?
A:日本では、年間100万人の方が新たながんに罹っています。そのがんの10~20%程度はこれら35遺伝子のうち少なくとも1つに異常が認められます。
女性では毎年10万人が乳がんと診断されています。乳がんとなってから、この35遺伝子のうち、BRCA1とBRCA2は保険で検査できます(3割負担で約6万円かかります)。
進行したがんで見つかってから検査をするよりは、今この検査を受けることで早期診断や早期治療につながります。

Q:どのような方がこの遺伝子の検査を受けたらよいでしょうか?
A:年齢を問わず、何らかのがんに罹ったことがある方は、もともと生まれながらがんになりやすい体質かどうか調べることをおすすめします。またほかのがんにもかかるかもしれないとご心配な方は、これらの遺伝子を調べることで予測できる可能性があります。
年齢を問わず、今までがんに罹ったことのない方こそ、これらの遺伝子に生まれながら異常がないか知ることで、今後注意しなければいけないがんや検診でどこを重点的に調べたらよいか提案できます。

がん遺伝子を調べると、ご家族のがん予防にも役立ちます

これらの遺伝子に異常があると、一般的に次の世代に50%の確率で引き継がれます。
もし、検査で異常が認められた場合、兄弟姉妹、お子さま、お孫さまへの健康管理にも役立ちます。


遺伝子検査でがんを予防したアンジェリーナ・ジョリーさんの例

ハリウッド俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんは遺伝子検査でがん予防をされました!
彼女は母親を乳がんと卵巣がんで失い、叔母も乳がんで亡くなっています。
彼女は遺伝子検査を受けてBRCA1という乳がんや卵巣がんに罹りやすい原因となる遺伝子に異常が発見されました。
これは【遺伝性乳がん卵巣がん】と診断されます。
この遺伝子に異常があると、生涯において、乳がんや卵巣がん、膵がんや男性なら前立腺がんにかかるリスクが高くなります。 検査結果をうけて、彼女は以下の手術を受けました。
乳がんを予防するため → 健康な両乳房を切除して再建する手術を受けました。
卵巣がんを予防するため → 両側卵管卵巣摘出術を受けました。


注意事項

・本検査は生まれながらがんの発症リスクを高める原因遺伝子を調べるものであり、本検査で異常がなくても後天的にがんになるかどうかは予測できません。引き続き定期的ながん検診のサポートをいたします。

・本検査は現段階でがんの原因と知られている遺伝子の変化を調べています。なかには遺伝子に変化があってもがんの原因と判定できないと診断されますが、データが更新された時にがんの原因と考えられる変化となることがあります。その際は、こちらからご連絡し解釈の変更についてご説明いたします。