精神医学

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黒滝 直弘  教授

 「こころ」の支援とはなにか ~その分子的基盤、臨床応用を探る

教 育

精神医学は、医療の中では比較的歴史の浅い分野ですが、厚生労働省の定める5大疾病に見られるように患者さんの数は、癌や循環器疾患など、いわゆるありふれた疾患(Common disease)の中でも極めて多いのが実情です。代表的な精神疾患である統合失調症やうつ病に加えて、高齢化社会におけるメンタルケア、児童思春期精神疾患の問題は近々の問題となっています。さらに最近ではGAFの高い方、すなわち社会で相応の立場にある方々においてのメンタルの不調もまた問題になっています。いわゆるカジノ法案が認可される社会でアルコール依存、ギャンブル依存への対応も社会的な要請です。このような現況に鑑み、こころの問題を専門とする臨床心理学も、従来の教育、福祉、司法等のフィールドに加え、医療での活躍が期待されています。医療の中でも私は、臨床精神科医の立場から精神科医学的な視点での教育を提供することによって広く社会に貢献できる心理専門職の育成を目指したいと思います。

研 究

香川大学医学部精神医学講座、長崎大学原研遺伝との共同で、臨床心理学の研究対象の一つである精神神経疾患の原因を解明し、根本的な治療法を開発したいと思います。対象疾患は、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、パニック障害などです。また高齢化社会におけるメンタルヘルスケアをキーワードに特に、認知症の合併症への対応法のエビデンスを構築していきます。さらに国家資格化される公認心理師の特に医療の中での役割、責任、経済効果等を調査したいと考えています。

大学院を志すかたへ

1.ケースフォームレーションと多職種連携
様々な治療や支援の場において、目の前のクライエントをどう見立て、どのような介入が適切か。そこには単にクライエントに共感し傾聴し、物語を追うだけではなく、エビデンスに基づいた情報が必要であり、共通言語による情報共有や意思疎通が極めて大事になってきます。公認心理師の責務でもあり、諸学会でのキーワードである「多職種連携のあり方」は、香川大学医学部臨床心理学科と大学院においても、もっとも力の入れている課題で、本講座では主に精神医学の立場からこの問題に取り組んでいます。
2.分子遺伝学による精神疾患の原因解明と治療法の開発
有効な治療法や支援法を開発するために、多因子疾患である精神疾患の原因を解明します。しかしながら解析には通常、多数の症例を必要とし結果、膨大な費用を要します。本講座では少数例でも解析が可能となるように、香川大学医学部付属病院、香川県内の医療機関、さらには長崎大学原研遺伝学教室との綿密な共同研究の上で、主に家族集積症例の研究を行っています。

このように本講座では、臨床に基づいた基礎研究を重視し、勉強会や学会での発表を行う姿勢を大事にしたいと思っています。

教職員

職名氏名専門分野
教授 黒滝 直弘 臨床精神医学、人類遺伝学