医学生・研修医の皆様へ
香川大学消化器外科では
あなたの熱意を最大限に尊重した研修を目指します。
出産・育児や介護にも配慮した研修が可能です。
香川大学消化器外科の特色
- 肝臓、膵臓、胆道、食道、胃、大腸の外科治療を専門として診療を行っています。2024年の全身麻酔下手術は489例でした。
- 日本外科学会指定施設、消化器外科指定修練施設、肝胆膵外科高度技能専門医修練施設(A)、日本大腸肛門病学会認定施設、大腸癌研究会会員施設、日本胃癌学会認定施設(A)、食道外科専門医認定施設、日本膵臓学会認定指導施設、日本胆道学会認定指導施設、日本腹部救急医学会認定施設として認定を受けており、各領域の高難度・大規模な手術も安全に行っています。
- 消化管・肝胆膵の各領域に日本内視鏡外科学会技術認定医やロボット支援手術認定プロクターを擁し、安全性と癌の根治性の両立を求めた腹腔鏡手術やロボット支援手術を積極的に行っています。
- 肝胆膵・消化管の高度進行がんに対しても、腫瘍内科や放射線治療科と協力して放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療を積極的に行い、がんの治癒を目指しています。
- 膵臓の移植医療を行っています。
当院は2009年に膵臓移植実施施設に認定されました。病院全体で移植医療の推進に力を入れており、膵臓移植移の際には当科のみならず、移植医療に携わる泌尿器科、腎臓内科、糖尿病内科、麻酔科などが連携をとり、治療に当たっております。2025年4月現在までに、当院で11例の膵臓腎臓同時移植と1例の腎移植後膵臓移植を実施致しました。移植後の成績として、10例が良好な膵臓機能を維持しており、インスリン注射が不要となっております。現在までの移植臓器の生着率は膵臓が83%、腎臓が91%となっています。また、多くの方が膵臓移植後に完全社会復帰を果されています。
卒後臨床研修について
香川大学医学部附属病院卒後臨床研修プログラム「MANDEGAN」のもとに、香川県内の連携施設と協力して独自の卒後臨床研修制度を施行しています。
当科では研修医の先生方には、上級医の指導のもとに以下の研修・習得をして頂くよう努めています。
- 消化器外科疾患の術前・術後管理
- 消化器外科手術の解剖理解と助手としての手術参加
- 縫合・結紮手技の修練
- 症例プレゼンテーション
- 患者さんの診察・コミュニケーション

また、興味のある研修医の先生方には、積極的に学会や研究会での発表を行っていただいています。上級医の指導のもと、発表のためのスライド作成や発表内容の原稿作成などを行う機会はたくさんあります。
定期的に懇親会を開催し、仲良く楽しく仕事ができる環境にあります!
外科専門研修について


香川大学消化器外科では、初期臨床研修修了後の3年間は外科専門医の取得に必要な外科診療を円滑に経験することができます。また、新専門医制度においては2施設以上での研修が必須とされています。
消化器外科疾患の診療経験はもちろんのこと、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科など外科専門医取得のために必要な診療経験が得られるように他科と連携しており、最短での「卒後6年目での外科専門医」取得ができる環境にあります。
また連携施設では「研修医」ではなく「外科スタッフ」として外科診療を行うことができます。自立した外科医になるために、上級医の丁寧かつ熱い指導をうけて外科の腕を磨くことができます。
「外科専門医」取得後は、サブスペシャリティー領域専門医である「消化器外科専門医」を取得するためのより専門的な診療経験を得ることができます。実質臓器(肝臓・胆道・膵臓)や消化管(食道・胃・大腸)の良性・悪性疾患をメインとして様々な手術手技の習得を目指します。
連携施設
基幹施設である香川大学医学部附属病院だけでなく、香川県内・県外の様々な連携施設で外科研修・診療を行うことができます。
希望があれば、多くの症例を有する香川県外の連携施設での外科研修や診療も可能です。
《香川県外の連携施設や医局員の過去の研修先》
- 加古川中央市民病院(兵庫県)
- 総合病院聖隷三方原病院(静岡県)
- 静岡県立静岡がんセンター(静岡県)
- 国立がん研究センター中央病院(東京都)
- 国立がん研究センター東病院(千葉県)
個人個人の外科医としての将来像や希望を最大限尊重した外科研修を心がけています!
心配なことや希望したいことは、いつでも相談してください!
研究・留学について
手術を生業とする外科医であっても、未来のより良い外科治療のための研究はとても重要です。香川大学消化器外科では、様々な領域の臨床および基礎研究活動を積極的に行っています。
卒後6-7年目以降は希望があれば大学院への進学が可能です。上級医の指導のもと、臨床研究だけでなく基礎研究を行って、医学博士を取得することができます。
毎年優秀な業績を残した大学院生に送られる香川大学大学院医学系研究科 西田賞を、令和元年度は当科 近藤彰宏が受賞しています。
また、研究のために海外留学をすることも可能です。
<過去の医局員の留学先>
- 米国ウィスコンシン大学
- 米国ミネソタ大学
- 米国ジョンズ・ホプキンス大学
- 米国ケースウエスタンリザーブ大学
- 米国NIH国立がん研究所
外科教育について
香川大学消化器外科では、
若手外科医の教育に積極的に取り組んでいます。
臨床実習生や初期研修医に対する縫合・結紮手技の研修
ドライボックスやシミュレーターを用いて、定期的に縫合結紮(腹腔鏡下含む)を練習しています。最初は難しいと感じることが多いですが、繰り返し練習を重ねることで、皆みるみる上達していきます。


腹腔鏡手術の勉強会




香川大学消化器外科では、腹腔鏡下肝胆膵外科手術や腹腔鏡下消化管外科手術を勉強するために、「LAP-HPBセミナー」や「SaLSUS (Sanuki Laparoscopic Skill-Up Seminar」といった腹腔鏡手術を勉強するためのセミナーを定期的に開催しており、若手外科医が効率よく腹腔鏡手術を学べる環境を整えています。

国際学会発表
香川大学消化器外科では、若い先生たちが積極的に国際学会への参加・発表を行っています。香川県にとどまらず日本を越えて世界へ発信できる外科医の育成を目指しています。
様々な行事
外科医は患者さまのために日々研鑽を重ねて技術や知識を磨く必要があります。毎日集中して診療を行うため、時折の息抜きも重要です。
香川大学消化器外科では、年間を通して様々な行事や飲み会を開催しており、スタッフ間とのコミュニケーションを図っています。
香川大学消化器外科は非常にスタッフ間の仲が良く、
これは日々の診療を円滑に行ううえでとても大事なことです。
みなさん、一緒に働きましょう!
医局員からのメッセージ
卒後11年目 坂本 あすな
1年目:香川県立中央病院
2年目:小豆島中央病院、大学病院
3、4年目:香川県立中央病院
5、6年目:坂出市立病院
7、8年目:大学病院
9年目~:坂出市立病院
外科医を志すまで
私は学生時代、なりたい診療科が決まっていなかったので、初期研修の最初は県立中央病院や小豆島中央病院で様々な診療科をローテーションしました。あらゆる疾患を診る中で、急性腹症の患者さんが手術でどんどん元気になっていく姿に感動し、2年目の後半で大学に戻る時、消化器外科医になろうと決めました。
外科としての後期研修は県立中央病院でスタートし、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科、救急といった様々な外科領域での経験を経て、5年目から2年間、外科医員として坂出市立病院へ赴任しました。初めて外来を持ち、執刀数も徐々に増えていく中で、技術面でも精神面でも自らの未熟さを痛感する日々でしたが、外科医として大切なことをたくさん学ばせていただきました。
専門性を高めながら柔軟にキャリア形成
7年目からは大学病院で肝胆膵、上部、下部とすべての領域を専門的に学びました。医局員として大学で勤務するのはここが初めてで、内心少し心細く思っていましたが、先輩も後輩もとても温かく迎え入れてくださり、すぐ医局の一員になれたように感じたことを覚えています。手術にカンファレンスに学会と、忙しい日々ではありましたが、熱心に指導してくださる先生方や後輩たちのパワーに後押しされ、本当に楽しく充実した2年間を送ることができました。
そして今9年目、また坂出に戻り、良性疾患から悪性疾患、超急性期から終末期まで、幅広い患者さんと向き合う中で、多くのことを教えられる毎日です。
私は地域枠で入学したため、高松医療圏外で勤務する義務がありました。義務年限を果たしつつ、臨床でも学術活動でも多くの経験を積ませてもらい、外科専門医も取得できたのは、とても恵まれた環境だったと感じています。当科では、定期的に医局員の面談を行っており、それぞれの希望を聞きながら、ライフプランに合わせてしっかりキャリア形成もできるように取り組んでいます。
入局を考えている皆さんへ
ここでご紹介した私の経歴は、ほんの一例に過ぎません。外科医として修練を積んでいく道の数は、医局員の数だけあります。ぜひいろんな医局員の話を聞いてみてください。それぞれの道に、その人の思いがあり、出会いがあり、物語があります。あなたも消化器外科の一員になって、外科医として自分らしく輝ける道をさがしてみませんか。


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卒後4年目 四元 拓宏
~自己紹介~
- 香川県坂出市出身
- 大学では準硬式野球部に所属
- 香川大学卒後臨床研修センターで初期研修



初期研修
消化器疾患に興味が強かったため、消化器内科と消化器外科を中心にローテーションしました。消化器内科は大学病院に加えて、坂出市立病院や香川県済生会病院でご指導いただきました。そこでは胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査や治療などを幅広く経験させていただき、消化器疾患への理解を深めることができたと思います。
消化器外科は、大学病院に加えて、坂出市立病院、香川県済生会病院、KKR高松病院でご指導いただきました。もちろん外科での研修も充実していて、数多くの手術症例を経験することができました。
出身大学を基幹病院とする初期研修であったからこそ、充実した研修になったと感じております!数多くの学会で奨励賞も受賞することができました。


坂出市立病院
坂出市立病院に1年間赴任しました。このような市中病院では、大学病院と違い、幅広い疾患を経験することになります。子供の怪我から虫垂炎や胆嚢炎などの急性疾患、もちろん悪性腫瘍も経験します。麻酔科、病棟、オペ室が一丸となってフル稼働し、「患者ファースト」の精神のもと、診療に励みました。手術手技や医学知識はもちろんですが、精神的にも成長することができました。忙しい毎日でしたが、経験した希少な疾患は、学会発表を行いました。臨床だけでなく、学術活動にも取り組んだ1年間でした。
当大学における外科専門医研修について
外科専門医取得のためには、手術経験数に加えて、消化器外科以外に心臓血管外科・乳腺外科・呼吸器外科・小児外科の症例経験が必要です。専門医取得のための症例を経験することはもちろんですが、それだけでありません。私は現在、大学病院の大腸チームで、ロボット手術などの低侵襲治療、高難度手術を学びつつ、術前化学療法や術後補助化学療法などを含む集学的な癌治療についての経験を積んでおります。専門医取得はもちろんですが、外科専門医取得はあくまで通過点かと思います。専門医取得にとどまらず、将来像や働き方などを含めてキャリアプランを考慮してくれる、まるで「家族」のように個人の意向や希望に耳を傾けてくれることも、香川大学消化器外科の医局の大きなメリットだと考えています。
入局を考えている皆さんへ



香川大学消化器外科では、さまざまなタイプの素晴らしい先輩・指導医の先生方がおられます。多種多様な経験をされた先生たちと一緒に診療を積んでいくことで、満足のいく研修や実績を積むことができると思います。またはじめは自分の判断に不安を覚えることや困ることも多々ありますが、どの先生も快く相談に乗ってくださり、アドバイスや指導をいただく事ができます。
また、家庭への配慮も手厚く、公私共にサポートする体制が整っている医局です。素敵な香川大学消化器外科医局でぜひ私たちと一緒に働きましょう!
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