周産期学婦人科学|香川大学医学部母子科学講座

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医学部学生教育

医学部4年次

統合講義ユニット7では、女性生殖機能、婦人科疾患、妊娠と分娩の生理などについて担当しています。女性生殖器の良性および悪性疾患の症候、病態、診断と治療について、また、妊娠・分娩の生理機構と正常妊娠経過・分娩経過および妊娠中の異常や様々な疾患の合併妊娠・分娩時異常の病態生理や管理について、不妊症やホルモンに関連した生殖内分泌学などを講義しています。

医学部5年次

臨床実習では、4年次で学んだ知識をもとに外来やベッドサイドでの診察法、超音波診断装置の使い方や簡単な外科手技など基本的なことを経験できるように指導しています。

医学部6年次

医学実習Ⅱ(スーパーポリクリ)では、1クールに2-3人の学生を受け入れています。診療チームの一員となってもらい担当医師のマンツーマンの指導のもと、外来や病棟での診察や処置にはより深く関わってもらう様に心がけています。5年次の実習に比べて、診断から治療までの一連の流れを経験したり診療の実地により多く立ち会ったりすることで、より産婦人科に興味を持ってもらうように努めています。また、手術実習では助手として積極的に参加してもらい、縫合や結紮など基本的な外科手技を習得できるようにしています。3週間のうち1週間程度は学外の病院での実習も可能です。学外実習のひとつとして、毎年4月に開催される日本産科婦人科学会学術講演会への参加も積極的に勧めており、毎年多数の学生が参加しています。

卒後研修

初期研修

2004年に初期研修が必修化されてから5年に1度見直しがされていますが、最近は全研修医が最低1件以上の正常分娩を経験してもらうようにしています。
2010年には産婦人科コースを設定し、産科婦人科研修を最低でも6ヶ月間は集中的に選択できる体制を整えました。学生時代から産婦人科に興味がある人はもとより、医師になってから少し興味が湧いたという人も、産婦人科での研修経験をきっかけに産婦人科医を志望する人が1人でも増えて欲しいと願っております。

後期研修

2017年から開始する予定の新専門医制度においても、3年間の後期研修で産婦人科専門医を取得し、その後はサブスペシャリティ(さらに細かい専門)に進めるプログラムの準備を行っています。後期研修では産婦人科の研修に加えて、6カ月間の麻酔科研修や3か月間のNICU研修も可能です。また、大学病院だけでなく、香川県下の医療機関において地域医療も含め多くの臨床経験を積むことができます。さらに、県外の連携病院である国立循環器病研究センターや四国がんセンター、松山赤十字病院等において、それぞれの医療機関が得意とする領域を短期間、重点的に研修することも可能です。このように、我々の教室では、産婦人科医として必要な総合性も高めつつ、志すサブスペシャリティーに応じて研鑽の機会を幅広く提供するなど、個人の希望をなるべく反映させ、目標にマッチするように配慮しながら医師の育成をしています。

その他

(1)日本産科婦人科学会におけるサマースクールの実施

通常の大学講義ではできないような実践的な実技演習や若手産婦人科との交流を目的としたサマースクールを2007年から毎年開催しています。これは、最近の産婦人科医不足の問題と、それに反し信頼できる産婦人科医を求める声が大きくなっている現状から、有望な若手産婦人科医を育成するための企画であり、毎年産婦人科に興味がある医学部生、初期研修医に広く全国から参加してもらっています。これからも若い医師の育成は香川県のみならず全国的に求められており、こんな時代だからこそ、どんどん産婦人科の門を叩いて欲しいと期待しています。

「産婦人科サマースクール」の詳細はこちら

(2)香川県産婦人科スプリングセミナー(香川産科婦人科学会 主催)

学生・初期研修医を対象として毎年3月に産婦人科スプリングセミナーを開催しています。大学病院を含め、香川県で勤務している産婦人科医が数多く参加しており、その豊かな経験に基づく臨床現場に即したとても分かり易い講義は毎年大好評です。基礎的なことから大学の授業では教わらないような発展的な内容を学ぶことができ、さらに鉗子分娩や吸引分娩などは実際に体を動かして体験してもらっています。座談会では国家試験を受験した先輩や実際に病棟で働き始めた初期研修医の先生達のざっくばらんな体験談を聴くことができます。
飯盒炊飯や温泉、楽しいレクリエーションなどのイベントを通して年代・医局を超えて仲良くなれる場です。夜は美味しいお酒を酌み交わし、空が白むまで熱く語ることも。産婦人科に少しでも興味のある学生・初期研修医は気軽に参加して下さい。

「香川県産婦人科スプリングセミナー」の詳細はこちら