平成27年度 香川大学医学部附属病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 882 345 379 613 770 1044 2435 2364 1142 95
 本院の基本理念「患者さんの権利を尊重し、良質な医療を提供するとともに、医学の教育・研究を推進し医療の発展に寄与する。」のもと、県下唯一の大学病院・特定機能病院として地域医療を支えるとともに、幅広い年齢層の患者さんに最良・最新の医療の開発、提供を目指しております。
 年齢階級別に見ますと10歳以下では、新生児疾患、先天性奇形関連の疾患が多く、20歳代から40歳代では女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩関連の疾患が多くなっています。50歳代以降では、眼科系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患など幅広く増加傾向になっており、患者数でも全体の70%を占めております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2なし 46 6.22 5.72 4.35 3.04
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 36 8.86 6.17 0.00 0.00
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 33 2.97 3.86 0.00 9.58
 小児科では、ウイルスや細菌等による肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症の入院が、多くを占めます。特に当科では人工呼吸器管理の必要のある重症の患者さんの治療も行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 32 15.56 17.41 3.13 73.09
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 32 16.34 16.02 0.00 71.16
060020xx01x0xx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 17 19.88 20.63 0.00 69.12
 当科での結腸悪性腫瘍に対する手術は、8割以上が腹腔鏡手術になっております。胃悪性腫瘍の手術でも腹腔鏡下手術を積極的に行っており、約半分の症例が腹腔鏡手術となっております。腹腔鏡手術は患者さんへの侵襲が少なく、併発症も少ない治療です。今後も手術の割合が増していくと考えています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 98 27.09 27.21 4.08 74.95
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 副傷病なし 75 28.23 24.95 5.33 66.07
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 31 7.97 6.14 0.00 50.58
 人口の高齢化に伴い、膝関節や股関節の変形性関節症の患者さんが増加し続けています。当科においてもこれらの患者さんの治療頻度が高く、主に人工関節置換術が行われています。
形成外科・美容外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 29 10.10 9.88 0.00 4.59
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 23 2.96 3.26 0.00 3.52
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし - - 6.60 - -
 当科においては身体形状の修正に力を入れており、香川県内のみならず中四国、あるいは近畿地方や関東からも多くの患者さんが来院されます。
治療の対象は身体のあらゆる部位にわたり顔面から胸部、手足にいたりますが、中でも治療数が多いのは、口や鼻の先天変形やがん切除後に生じた欠損の再建です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 46 3.57 3.15 0.00 61.04
010010xx99020x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 24 7.92 12.91 4.17 55.92
010070xx99120x 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等22あり 副傷病なし 23 7.78 5.34 8.70 64.70
 当科では、未破裂脳動脈瘤や頚動脈狭窄症などの脳血管障害、脳腫瘍の患者さんには、まず1週間程度の検査入院をしていただき、そこでしっかりと精査したうえで治療法方針を検討するようにしています。緊急で処置が必要な場合には、迅速な精査に引き続き治療を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 140 14.24 13.03 2.14 69.80
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 50 15.14 13.38 0.00 67.28
040040xx99100x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 33 3.00 3.29 0.00 73.79
 呼吸器外科で最も症例数が多いのは肺癌の手術症例です。肺癌は全国的にも増加傾向で全国癌統計によると、男性で第1位、女性で第2位の死亡数の多い疾患となっています。
 肺癌の治療方針はその進行度により異なり、早期肺癌に対しては完全胸腔鏡下手術により患者さんの負担を最小限に留め、一方で従来では手術が困難であった進行肺癌に対しては、抗癌剤および放射線療法の後に手術を行います(導入放射線化学療法)。術前精密検査の段階で気管周囲のリンパ節への転移がみられる症例(ⅢA期)の手術成績は、全国でも有数の成績を誇っています。
 症例数が2番目に多いのは、肺癌の抗癌化学療法の入院です。多くの症例で癌組織から遺伝子を抽出し、その結果に基づいたオーダーメイド化学療法を行っております。症例数が3番目に多いのは、癌組織採取のための気管支鏡検査などの検査入院で短期入院となっております。
小児成育外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 25 3.12 3.32 0.00 2.24
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 12 3.00 8.85 0.00 2.25
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 7.38 - -
 停留精巣は当科では2番目に多い手術疾患で、基本的に2泊3日の入院で手術で行っております。
 鼠径ヘルニアは最も多い手術疾患であり、こちらも2泊3日の入院で手術を行っております。
周産期科女性診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 90 35.79 20.87 1.11 30.87
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 62 6.92 5.33 0.00 55.03
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 46 11.09 9.63 0.00 34.50
 周産期科女性診療科の入院患者は大きく産科入院と婦人科入院の2つに分かれます。産科診療における最も重要な事の1つに早産を避けるという事があり、切迫早産の入院加療が多くの件数を占めています。また異常分娩による産後の加療の入院も行っています。
 婦人科に関しては悪性腫瘍に対する手術や化学療法、放射線療法のための入院が多くを占めています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 208 13.79 9.57 0.48 66.33
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 165 8.42 7.99 0.00 68.92
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 156 11.32 11.08 0.00 57.15
 眼科では、網膜硝子体疾患、緑内障、白内障に対しての手術加療を入院で行っています。
 網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑円孔、外傷など疾患は多岐に渡ります。
耳鼻咽喉科・頭頚部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 63 7.60 7.76 0.00 53.73
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 42 7.45 10.12 0.00 42.52
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 36 8.03 8.20 0.00 14.78
 耳鼻咽喉科では、上気道の感染症が治療の対象として多くを占めます。近年では純粋な感染症よりは、アレルギーが関与したもの、全身疾患に関与した扁桃疾患など、病態の変化がみられます。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 60 5.75 4.38 0.00 52.00
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 17 9.88 8.97 0.00 69.35
080140xxxxx2xx 炎症性角化症 手術・処置等22あり 11 2.18 3.08 0.00 50.82
 皮膚科では顔面など整容面で配慮の必要な部位の皮膚・皮下腫瘍に対して術後の創部感染防止や切開創安定のため短期間の入院で切除、摘出を行っています。帯状疱疹に対しては、特に高齢者の方には神経痛の長期残存を防ぐため可能な限り入院治療により安静と治癒促進を図ります。重症の乾癬に対しても新規治療法である生物学的製剤治療の導入時にのみ短期入院を勧めています。
泌尿器・副腎・腎移植外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 60 7.03 8.02 1.67 74.07
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 57 13.98 14.03 0.00 67.07
110080xx97x00x 前立腺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 34 2.03 6.10 0.00 71.94
 前立腺癌は人口の高齢化や食生活の欧米化、PSA検査の普及によって年々増加しています。
 2015年には、わが国での前立腺癌の罹患数が胃癌、肺癌を抜いてついに男性癌の一位になりました。また勝胱癌の患者数も相変わらず増え続けております。いずれの疾患も、よりよい治療結果を得るためには早期発見が重要です。
 われわれの施設の大きなテーマのひとつが癌の集学的治療です。不必要な治療を避け、本当に必要なときに、個々に最も適した治療を提供いたします。高いレベルのエビデンス(証拠)に基づくのはもちろんのこと、より身体にやさしい治療を日指しております。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9904xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 31 22.61 13.38 0.00 69.90
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 17 14.94 15.00 23.53 72.59
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等28あり 16 24.50 11.62 0.00 62.94
 肺癌は、癌による死亡の第1位となっており、死亡者数は年々増加しています。
しかし、近年ではこれまでの抗がん剤を用いた治療に加え、新しい分子標的療法や免疫治療が発展し大きく予後が改善しつつあります。当科では、これらの新しい治療を適切に組み合わせた治療を行い、治療成績の向上を目指しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 114 3.73 3.07 0.88 70.36
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 55 5.35 4.87 0.00 68.42
050070xx01x10x 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2あり 副傷病なし 44 4.66 7.97 0.00 63.89
 循環器内科で最も多い疾患は、虚血性心疾患です。カテーテル検査は、平均3日間の入院で、治療しても平均5日間の入院です。不整脈に対するカテーテルアブレーションは、平均4~5日間の入院になっています。
抗加齢血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 45 3.91 3.07 2.22 71.07
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 21 5.14 4.87 0.00 69.05
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 18.30 - -
 抗加齢血管内科でも循環器内科同様に多い疾患は、虚血性心疾患です。カテーテル検査入院は平均3~4日、治療を要する場合でも平均5日と短期入院での治療を実現しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 43 4.28 7.47 0.00 45.33
180040xx02x0xx 手術・処置等の合併症 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 23 2.13 3.40 0.00 74.52
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 18.00 19.98 0.00 53.27
 腎臓内科で最も多い症例は慢性腎炎症候群に対する4泊5日程度の経皮的腎生検検査入院です。当科では腎生検の際は電子顕微鏡を提出していますので、診断精度は県内随一となっています。そのまま治療が必要な方は入院を継続し、ステロイド剤などによる治療を継続します。
 また当科では3週間程度の血液透析・腹膜透析の導入入院も行っています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 5.47 7.52 0.00 30.41
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 13 9.15 10.02 53.85 55.85
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 3.55 3.58 36.36 45.55
 救命救急センターでは、交通事故や転落などによる重症の外傷の治療を行っています。重症外傷では頭部を含めて全身臓器が傷害される可能性があり、緊急を含めた手術および集中治療を施行しています。
 薬物中毒では、中毒物質の影響で肝臓、腎臓、肺、 などに傷害が及ぶことがあります。その場合、血液浄化を含めた集中治療を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 22 28.45 17.69 0.00 59.23
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり - - 43.59 - -
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし - - 18.19 - -
 非ホジキンリンパ腫の発症割合は年々増加しており、特に高齢者での発症が伸びています。
 当科では若年~壮年期にも発症する非ホジキンリンパ腫や、難治性の非ホジキンリンパ腫の症例を積極的に受け入れており、造血管細胞移植を含めた強力な化学療法を実施して治療率の向上を目指しています。当科での対象症例が59歳と比較的若いのはその為です。また多くの症例において、治療前の診断に外科的な生検や切除が必要である為、診断治療前の手術・処理ありとなっています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 101 10.16 11.98 3.96 72.76
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 90 8.89 10.93 10.00 73.47
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 78 9.01 9.20 1.28 72.78
 消化器内科では、特に肝臓治療・胆膵治療は一般市中病院では手技・治療が困難で、当科に紹介されて治療するケースが多くなっているため、それを反映し、肝悪性腫瘍や胆管治療の入院が多くなっているのが現状である。また、消化管疾患については、香川県の多くの施設で技術が高度治療も一般化しており、紹介が減少し、より高度な治療のみに特化しているため少なく、また、腫瘍内科ができたことで今まで当科で施行していた化学療法患者も減少したためこのような結果になった。
 肝悪性腫瘍は、外科と違って肝予備能を保持しなから局所的に治療する症例が多く、比較的短期の入院日数となっている。また、転院に関しても、肝疾患に特化した病院は少なく、今後のフォローを含めての紹介が多い。
 胆膵疾患も疾患の特徴で急激に悪化するが、治療により急速に改善する症例が多いため、在院日数が少ない。消化管に関しても同様で、転院率が低いのは、術後フォロー必要なため少ないと思われる。
膠原病・リウマチ内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 手術・処置等2なし 47 28.83 18.15 4.26 55.53
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし 11 20.36 14.90 9.09 67.82
070470xx99x5xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等25あり - - 6.72 - -
 膠原病・リウマチ内科では全身の臓器障害を引き起こす生命に関わる自己免疫疾患(全身エリテマトーデス・皮膚筋炎・多発性筋炎・血管炎・不明熱など)の的確な診断の為の検査と集学的治療の必要な患者さんが多く大半の入院を占めています。次いで集学的な治療が必要な関節リウマチの患者さん、合併症を有する関節リウマチの患者さんが多く入院しています。
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 13.40 10.93 0.00 55.13
070040xx99x0xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2なし - - 13.38 - -
060010xx97x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) その他の手術あり 手術・処置等24あり 副傷病なし - - 18.98 - -
 胆道癌や膵癌では、胆管炎や閉塞性黄疸を起こすことが多く、入院により処置等を行っています。
乳腺内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等2なし 28 9.46 9.55 0.00 54.57
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 27 10.07 6.79 0.00 63.11
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2なし 18 12.33 10.37 0.00 55.56
 最近では、頚動脈のエコーやCT検査が一般病院でも頻繁に行われるようになりました。それに伴って非触知甲状腺癌が見つかるようになりました。当科でも早期甲状腺癌が増えています。
 乳癌は、検診普及に伴って早期癌症例が増えています。乳房温存率はその為に向上しています。
内分泌代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 55 18.15 15.35 1.82 60.24
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 9.04 6.55 3.85 58.96
100180xx99100x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 3.00 4.70 0.00 55.58
 生活習慣の変化により2型糖尿病が激増しています。当科では、血糖コントロール不良例、複数の合併症を持った糖尿病例、特殊な糖尿病、糖尿病合併症の重症化抑制を目的にした症例を紹介いただき、複数の専門医により集学的治療をおこなっています。
 内分泌疾患としては、副腎腫瘍、特にホルモン分泌を伴う機能性腫瘍(クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫)の診断、治療をおこなっています。特に治る高血圧症の原因である原発性アルドステロン症に対しては、選択的副腎静脈サンプリングで積極的に診断をおこなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 114 15 18 15 - - 1 7
大腸癌 35 16 29 12 - 17 1 7
乳癌 42 43 - - - 46 1 7
肺癌 116 54 80 143 29 74 1 7
肝癌 30 32 22 - - 147 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 癌は本邦の死因の第1位であり、2人に1人が、癌にかかる時代です。
 当院でも、癌の集学的治療に積極的に取り組んでいます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 15 10.07 52.80
重症度 1 18 17.94 66.22
重症度 2 13 19.92 76.46
重症度 3 - - -
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
 当院に成人市中肺炎で入院される患者さんの重症度は0~2が過半数を占め、重症度は高くない状況です。
 重症度2以上では、平均年齢が70歳以上と高齢になるほど重症化する傾向にあります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 51 22.75 72.00 50.00
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 37 10.68 70.00 8.89
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
 脳梗塞の治療においては、急性期にtPA静注療法や急性期血行再建術(脳血管内手術)を含めた治療を数多く行っています。急性期治療後、リハビリの継続が必要な場合はソーシャルワーカーに介入してもらい、その患者さんに合った後方支援病院に転院していただいています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 14 0.00 63.50 21.43 0.00
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 11 0.00 53.82 18.18 0.00
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 - - - - -
 小児科において主要手術として扱われている症例は、新生児仮死で出生した新生児に対して行われる蘇生術があります。重症なものから、第2度、第1度と区別されています
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 36 1.81 6.33 8.33 66.81
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 31 4.71 10.10 0.00 71.68
K655-22 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術 30 3.00 13.07 0.00 71.53
 当科での腹腔手術で最も多いのが、胆のう摘出術です。胆石や胆のう炎に対して行いますが、胆のう炎症例では、発症の程度により手術の難易度が高くなる場合がありますが、ほぼ全例を腹腔鏡で行っています。大腸癌・胃癌に対しても、積極的に腹腔鏡手術をおこなっており、その割合は年々増加傾向になっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 183 2.10 25.34 4.37 71.06
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 63 1.90 7.46 0.00 54.90
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 22 3.91 21.86 77.27 73.64
 高齢者人口の増加に伴い膝・股関節の変形性関節症が増加しており、これらに対する人工関節置換術が多くなっています。手術方法も以前に比べより低襲となり、合併症が少なくなり安全で痛みの少ない手術が行えるようになっています。
形成外科・美容外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4263 口唇裂形成手術(片側) 鼻腔底形成を伴う場合 14 1.00 8.21 0.00 2.00
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 - - - - -
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 - - - - -
 身体のかたちは加齢とともに少しずつ変化します。それに伴って機能も変化することがあります。まぶた(眼瞼)の変形はそのひとつであり、加齢につれて次第に垂れ下がってきます。その結果、視野が狭くなるので日常の生活に支障が生じることがあります。香川大学病院形成外科においてはこうした病状についても力を入れて取り組んでおります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 43 14.23 34.53 30.23 60.77
K1781 脳血管内手術 1箇所 19 3.79 11.42 10.53 63.47
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 11 5.36 13.00 27.27 70.82
 当科では、悪性腫瘍を含めた多くの脳腫瘍の手術を行っています。ナビゲーションシステムや術中MRIを使用して、より安全で確実な手術を行うことが可能です。脳血管障害においても脳動脈瘤に対してコイル塞栓術や頚動脈ステント留置術などの脳血管内手術も積極的に行っています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 60 3.85 8.97 1.67 71.62
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 32 2.75 6.47 0.00 65.88
K5132 胸腔鏡下肺切除術 その他のもの 20 2.75 6.55 5.00 63.20
 呼吸器外科が対象とする最も多い疾患が肺癌で、最も多い手術は肺癌に対する胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術です。肺癌手術の標準術式は肺葉切除術とリンパ節郭清術であり、当科では多くの症例で完全胸腔鏡下手術を行い体への負担を軽減しています。
 2番目に多い症例は、肺悪性腫瘍手術 部分切除です。この手術は転移性肺腫瘍(他臓器からの肺への転移)の多くや、低心肺機能などの合併症を有する肺癌や低悪性度の肺癌に対して行います。3番目が胸腔鏡下肺切除術 その他のものとなりますが、これは癌などの悪性疾患と異なり、肺の良性肺腫瘍の手術です。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 12 7.67 25.67 0.00 66.50
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの) 11 5.73 13.82 0.00 71.18
K5553 弁置換術 3弁のもの - - - - -
 心臓血管外科では、虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術、弁膜症に対する弁形成術、大動脈に対する人工血管置換術を行っています。
 冠動脈バイバス術ではほぼ全例をオフポンプ手術で平均4.2所に吻合し、年15-25例です。
 弁膜症手術は増加しており、これも年30-45例で推移し、三弁手術に加えてメイズ手術を併施することも増加して年5-10例です。
 大動脈疾患については、低侵襲のステントグラフト手術も徐々に増えてきております。
小児成育外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 48 1.10 1.17 0.00 3.50
K836 停留精巣固定術 23 1.00 1.04 0.00 2.35
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 21 1.00 1.10 0.00 5.76
 鼠径ヘルニア手術は小児外科で最も多い手術ですが、女児では主に腹腔鏡下手術を行っています。
 停留精巣固定術は鼠径ヘルニアの次に多い手術で、両者とも2泊3日の入院期間で行っています。
周産期科女性診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 68 9.69 9.25 0.00 33.63
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 49 14.47 8.53 0.00 34.45
K877 子宮全摘術 33 1.45 9.03 0.00 54.97
 産科手術としては、やはりその多くを帝王切開術が占めており選択的帝王切開術と緊急帝王切開術の割合はだいたい半分ずつくらいとなっています。
子宮全摘術は婦人科手術としては最も一般的な手術の1つに挙げられます。近年では積極的に腹腔鏡下子宮全摘術を行っており、その手術件数は年々増加しております。腹腔鏡手術は開腹術に比べ体への負担が軽く、患者満足度の向上や体の負担軽減に繋がっていると思われます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 475 1.12 7.33 0.00 65.77
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 333 1.00 2.50 0.30 71.85
K2683 緑内障手術 濾過手術 110 1.04 14.63 0.91 66.41
平成27年度は、硝子体手術を629件、緑内障手術を231件、白内障手術を1073件行っております。
耳鼻咽喉科・頭頚部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K319 鼓室形成手術 56 1.05 4.73 0.00 40.41
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 43 1.07 5.98 0.00 15.49
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 34 1.50 4.97 0.00 58.35
 従来より、中耳、副鼻腔、咽頭疾患に対する手術が多数を占めますが、病態の変化により手術の難易度は上がっています。内視鏡や新しい手術器具などを用いて、より安全で確実な手術を行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 43 0.98 3.40 0.00 47.86
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 27 1.30 16.70 0.00 72.15
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 25 1.00 3.84 0.00 56.16
 皮膚科の手術件数は顔面や手掌・足底などの露出部の皮膚および皮下腫瘍の摘出、次に早期皮膚癌ないし小型の皮膚癌の切除例が多くなっています。腫瘍の不完全な切除による残存を防ぎ、また組織学的検査を実施することで診断を確定し、術後治療の選択や経過観察に役立てています。
泌尿器・副腎・腎移植外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 87 1.86 4.63 1.15 73.69
K843 前立腺悪性腫瘍手術 56 2.04 11.00 0.00 67.14
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 36 0.00 1.03 0.00 71.89
 年々増加する前立腺癌に対する治療法は非常に多様です。われわれはロボット手術(ダヴィンチ)によって、尿失禁などの術後の副作用を極限まで少なくする努力をしております。また、病状によっては手術よりもむしろ放射線治療のほうが結果が良い場合も少なくありません。われわれの施設ではもともと精度の高い放射線照射が可能な強度変調放射線療法(IMRT)が施行可能ですが、その精度をさらに高めるために治療前に前立腺に金属マーカーを挿入しています。そうすることよって治療効果を最大限にあげながら、合併症の頻度を低下させることができます。また、内照射療法_(小線源療法)が行える県下唯一の施設として症例を重ねてきております。
 さらに悪性度の低い前立腺癌に対しては、あえて直ちに治療を開始しない「監視療法」も積極的に行っております。
 進行性膀胱癌については、放射線療法や抗がん剤治療を組み合わせる集学的治療を行っています。病状によりますが、膀胱全摘後には腸管を利用した自排尿型代用膀胱を作成することによって、QOLの維持につとめております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 50 2.66 3.76 0.00 68.18
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 45 1.58 2.16 0.00 65.22
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 20 9.15 14.55 0.00 79.25
 冠動脈形成術は、狭心症、心筋梗塞が含まれ、心筋梗塞は若年にも認められ、平均68歳となっています。カテーテルアブレーションは心房細動が多く平均65歳です。
 ペースメーカー植え込み術は、平均14日間の入院になっています。
抗加齢血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 19 1.84 2.11 0.00 68.32
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの - - - - -
K620 下大静脈フィルター留置術 - - - - -
 循環器内科同様に、虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術など心臓カテーテル治療症例が中心となっています。
 また近年増加している深部静脈血栓症及び肺塞栓症に対する下大静脈フィルター留置も行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 27 2.11 1.70 0.00 74.11
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 23 6.35 15.70 8.70 73.17
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 11 2.73 19.09 0.00 43.36
 腎臓内科では内シャント造設術、経皮的血管内治療、腹膜透析カテーテル挿入術などの透析に必要な手術を腎臓内科医師が内科入院のままで行うことができます。
 腎生検にてIgA腎症と診断された方に対して、耳鼻咽喉科と協力して扁桃腺摘出ステロイドパルス療法を行っています。
 慢性腎臓病(CKD)の患者さんは全国でも増え続けており、当科ではCKDのどのステージに対しても対応できる体制になっています。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 11 12.18 18.55 81.82 67.00
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 止血術 - - - - -
K1781 脳血管内手術 1箇所 - - - - -
 重症肺炎あるいは意識状態が悪い場合などでは、人工呼吸期間が長くなることがあります。この場合は気管切開術を施行し、人工呼吸器から早く離脱できるようにしています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 107 1.98 8.26 3.74 72.76
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 70 1.13 6.97 1.43 72.97
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 64 0.97 6.30 1.56 68.66
 現在、肝癌においてはウイルス性肝炎が減少し、非ウイルス性肝癌が急速に増加している。ウイルス肝炎から発症する肝癌と違い、囲い込みができない肝癌で局所治療のできない患者が多く、選択的肝動脈化学塞栓術が増加したと思われる。当科では大腿動脈から肝動脈へカテーテルを挿入し目的肝癌に対して選択的に抗癌剤注入後に塞栓術を行っている。なるべく苦痛の解除のため早期退院を心掛けている。
 ついで、胃早期悪性腫瘍や大腸早期悪性腫瘍に対する粘膜下層剥離術は、現在消化管治療の本流で粘膜内の胃癌・大腸癌を剥離し切除する治療です。入院翌日には治療するような段取りをあらかじめ外来で行い、早期退院出来るように努めている。
腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 10 1.30 9.40 0.00 63.40
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) - - - - -
 胆道癌や膵癌では、胆管炎や閉塞性黄疸を起こした場合、内視鏡を用いてステントを留置します。
乳腺内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 28 2.61 6.39 0.00 63.18
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除 21 2.76 4.90 0.00 53.00
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 16 2.69 8.56 0.00 55.81
 最近では、頚動脈のエコーやCT検査が一般病院でも頻繁に行われるようになりました。それに伴って非触知甲状腺癌が見つかるようになりました。当科でも早期甲状腺癌が増えています。
 乳癌は、検診普及に伴って早期癌症例が増えています。乳房温存率はその為に向上しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 16 0.16
180010 敗血症 同一 19 0.19
異なる 18 0.18
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 90 0.89
異なる 11 0.11
 この指標は入院中の感染症や合併症の発症率を示したもので、臨床上ゼロにはなりえないものの、患者数、発症率ともに減少させることを目標としています。
播種性血管内凝固症候群や敗血症は致死率が高い超重症合併症であり、超急性期を担う当院のような医療機関では一定程度発生します。DPCでは、「医療資源を最も多く投入した傷病名」で決定され、傷病名は原則として原疾患を選択します。播種性血管内凝固症候群のDPCコードは原疾患ではなく、入院後に発症した合併症のコーディングであるため「異なる」と分類された可能性が高いと考えられます。当院は、腹膜炎や重症肺炎等の敗血症や播種性血管内凝固症候群に陥りやすい疾患群も多く存在し、入院中は免疫力が低下している場合もあり、ウイルスや細菌による発症や新たに合併症を発症する場合があります。医療の質を高め深刻な事態を避けるためにも、これらの発症率を抑える取り組みが求められます。
 医療安全管理部では、「インシデントレポートの収集・分析、対策立案、評価」、「安全管理のための院内巡視」「安全管理のための職員教育及び研修」、「安全管理のための総点検月間」「安全管理ニュースの発行」「リスクマネージャー会議の運営」「安全対策マニュアルの見直し」等の活動に取り組み、患者さんに安全な医療を提供できる環境づくりに努めています。
更新履歴
2016/09/29
平成27年度香川大学医学部附属病院病院指標、第1版を掲載しました。