センター長よりご挨拶

センター長 横平 政直

センター長 横平 政直

〔センター長就任のご挨拶〕


令和3年4月より医学教育学講座教授に就任いたしました横平政直と申します。  私は、香川医科大学医学部医学科を1999年に卒業し、本学の第一外科学(現、消化器外科学および心血管外科学)に入局しました。卒後臨床研修制度導入前であったにもかかわらず、入局後はとても恵まれた環境で研修を行うことができました。医療技術の向上のみならず、患者さんに対する診療姿勢のあり方や倫理観を形成する重要な研鑽となりました。私が今でも臨床診療業務を継続できている礎となっています。
 2003年からは大学院生として腫瘍病理学の門を叩き、研究および病理診断の研鑽を重ね、現在に至っています。アメリカ、ネブラスカ大学メディカルセンターでの研究留学によって、世界はすぐ隣にあるということを知り、常にグローバルを意識した研究活動を行うことができるようになりました。
 多角的な仕事にいずれも全力で取り組んできた経験は、医学教育学に携わる身には重要な過程であったと感じております。本学の医学教育学の発展はめざましく、業務は多岐にわたります。医学教育学の根管となる私の究極的使命は「学生の愛校心を育み、1人でも多くの卒業生が前向きな気持ちで香川県の地域医療を担う医師として活躍すること」です。より良いカリキュラムづくりに常に取り組みながら、学生を信じ続ける医学教育を提供することが重要と考えております。この先、私自身が本学の学生・若手医師の心を動かせる存在になることを目標としております。
 医学教育学講座は非常に多くの提供科目を抱えており、それらの科目は一般病院・医療関連施設や学外・学内の多数の先生方の多大な協力により成り立っています。支えて頂く先生方のご厚情なくして本学の医学教育を遂行することは困難です。今後とも、ご支援・ご指導を賜ることができれば幸いです。

〔医学教育学講座/医学部教育センターの沿革〕


 2000年頃から、医学教育にも大きく変化を求められるようになってきました。 まずは、2003年に各大学に任されていた医学教育内容を全国的に標準化する目的で、モデル・コア・カリキュラムが制定され、それぞれの講義のうち70%はこのカリキュラムに準拠した内容とすることになりました。
 次いで、モデル・コア・カリキュラムの達成度を評価するための共用試験が導入され、2006年に第1回目の共用試験が実施されました。共用試験は、知識を問うCBT(Computer Based Test)と診察技能を問うOSCE(Objective Structured Clinical Examination)とからなり、医学生が臨床実習に臨むためには必須の試験となっています。 詳しくは共用試験実施評価機構のHPをご覧下さい。
 さらに、医療現場で問題となる様々な課題、すなわち、医療倫理、医療安全、院内感染対策、EBM(Evidence Based Medicine)、地域医療への対応、等々についても卒前教育で触れておく必要が生じてきました。このように医学教育に含まれる内容が多様化してくると、専任の教員を配置して、全体を俯瞰しないと、1年生から6年生までバランスが取れた医学教育カリキュラムを立案することが困難になってきました。このような背景から、各大学医学部や、医科大学には相次いで医学教育専任の教員が置かれるようになりました。香川大学医学部でも同様の対応がなされ、2010年4月に初代教授の岡田宏基先生が着任され、本学に医学教育講座が誕生しました。本講座は、2021年4月に2代目教授として横平政直が引き継ぐとこととなりました。
 全国の医学教育に関する教員の情報は、「ユニットの会」のHPから参照することができます。

 

〔医学部教育センターの設置とそのミッション〕


医学部教育センターは、組織図では、医学部長の下に置かれており、医学教育を効率的に行い、またその評価を適切に行うための前線組織と言えます。
この下には、統合講義ディレクター会議、FD委員会、チュートリアル専門員会、IT教育委員会、CBT委員会、OSCE委員会などが置かれ、医学教育の様々な側面を担っています。