2017年04月24日  入試 その他

国立大学医学部で初めて臨床心理学科(仮称)を創設します

国立大学医学部で初めて臨床心理学科(仮称)を創設します

・心理学と医学の基礎を融合したカリキュラム
・医学的素養と心理援助の実践力を備えた心理の専門職の養成をめざします

臨床心理学は今まで一般的に文系の学問とみなされていました。本学でも現在、教育学部の人間発達環境課程・発達臨床コースで学ばれており、地域に心理援助者を輩出する場として大きな成果を上げて来ました。一方、社会に出て働く心理援助者への調査で、「学生時代に医学を学んでおきたかった」という人が多数存在することも分かっています。そのような意見も踏まえ、教育学部での従来の教育を受け継ぎながら、心と身体の関わりの理解に役立つ医学の基礎知識を身に付け、重要な心的疾患や障害についても学べる場として、新学科を創設します。今後、他大学にも広がるであろう流れを、本学でいち早く実現するものです。

医学部に属するメリットとして、医学科、看護学科の学生と共に学ぶことで、チーム医療や多職種連携における心理職の役割や協力の仕方が身に付くことがあげられます。もちろん医学科、看護学科の学生にとっても、全く違うバックグランドを持つ学生との学びが、よい刺激になることは間違いありません。
またカリキュラムの中にはさまざまな体験実習も含まれ、附属病院や教育・福祉施設で、各々の現場の状況を理解し、利用者や職員との交流も図れます。

心理職の活躍の場は、保健・医療、教育、福祉、行政、司法、産業分野など多岐にわたります。中でも近年、医療現場でのチーム医療への参画、教育現場でのスクールカウンセラーの導入、多発する大規模自然災害の被災地での心のケアなどにおいて、特にニーズが高まっています。

さらに香川の地域の課題として、全国でも特に高齢化が進んでいるため、認知症などの疾患や高齢者のメンタルヘルスのケアはこれからより重要性を増すでしょう。また近い未来に起こるとされる南海トラフ大地震発生時に、被災者の心のケアが行え、急性期に機動的に活動する医療チーム・DMATにも加われる心理援助者の育成は急務です。防災・危機管理研究を重点研究と位置付け、大規模災害時に力を発揮する研究や人材育成を担う本学の新しい力としても期待されます。

2015年に公認心理師法が公布され、国家資格となる「公認心理師」が誕生することになりました。新学科での学びには、この受験資格を得るための授業も含まれています。そして、学科卒業後に大学院に進学し、修士課程を修了すると公認心理師の受験資格が得られます。本学でも学科に続き、大学院を設置する計画です。

※本大学改革は現在申請中のものであり、今後変更することもあり得ます。また、新学科の名称は仮称です。

臨床心理学科(仮称)の開設を含む「香川大学改革構想2018」について、詳しくはこちら>> (かがアド第25号)